34Q114第34回 介護福祉士国家試験 過去問

総合問題総合問題

次の事例を読んで、問題114から問題116までについて答えなさい。 〔事 例〕 Cさん(83歳、女性)は、一人暮らしで、近所に買い物に行く以外はテレビを見て過ごしている。近県に息子がいるが、仕事が忙しく、会いに来ることはあまりなかった。 ある日、息子が久しぶりに訪問すると、部屋の中がごみや衣類などで散らかっていた。病院を受診するとCさんはアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断され、要介護1と認定された。 Cさんは、時々、電気湯沸しポットの使い方がわからなくなって湯が出せなかったり、お茶を入れる順番がわからずに混乱する様子が見られた。 心配した息子は、介護保険サービスを利用することにした。後日、介護支援専門員(ケアマネジャー)が訪問し、介護保険サービスの利用についてCさんや息子と話し合った。週2回、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになり、介護支援専門員(ケアマネジャー)は、「自宅で、衛生的な生活ができる」をケアプランの長期目標とした。 Cさんを担当する訪問介護員(ホームヘルパー)は、サービス提供責任者と共に訪問介護計画書を作成することになった。 次の記述の中で、短期目標として、最も適切なものを1つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 5

正答

5.訪問介護員(ホームヘルパー)と一緒に掃除をすることができるようになる。

この問題のポイント

短期目標は、長期目標につながり、本人が一定期間内に達成可能な具体的な状態として設定します。「自宅で、衛生的な生活ができる」という長期目標に対して、Cさんが訪問介護員と一緒に掃除へ参加することは、具体的で実現可能な短期目標です。

解説

Cさんのケアプランの長期目標は、「自宅で、衛生的な生活ができる」です。短期目標は、この長期目標を実現するための段階として、本人を主語にし、達成した状態を具体的に表す必要があります。

Cさんは、部屋にごみや衣類が散らかっている一方、一人で買い物に出かけるなどの力も残っています。介護福祉職がすべてを代行するのではなく、Cさんができる部分を確認し、一緒に掃除へ取り組むことで、残存機能を生かしながら衛生的な生活環境を整えることができます。

最初から一人で掃除機を使って掃除することを求めると、遂行機能の低下があるCさんには難しく、失敗や混乱につながる可能性があります。訪問介護員と一緒に行えば、作業を小さな手順に分け、必要なところだけ声かけや介助を受けながら参加できます。

「残存機能に着目して支援する」は重要な支援方針ですが、本人がどのような状態になるのかを示しておらず、短期目標としては具体性が不足しています。

ひっかけポイント

支援として望ましい表現でも、そのまま短期目標になるとは限りません。「残存機能に着目する」は支援者側の方針です。短期目標は、本人が何をどのようにできるようになるのかを表します。

介護実践でのポイント

本人の希望と現在の能力を確認し、掃除の工程を「衣類を分ける」「ごみを集める」「訪問介護員と掃除機をかける」などに分けます。できた部分を評価して成功体験につなげ、実施状況を記録し、必要に応じて計画を見直します。

選択肢の確認

1.掃除機を利用して、1人で掃除をすることができるようになる。

誤りです。
長期目標にはつながりますが、遂行機能の低下がみられる現在のCさんへ、最初から一人で一連の掃除を行うことを求めるのは達成可能性が低いと考えられます。

2.電気湯沸しポットを使い、1人でお茶を入れることができるようになる。

誤りです。
Cさんはポットの操作やお茶を入れる順番に混乱しており、やけどの危険もあります。また、「衛生的な生活」という長期目標との直接的なつながりも弱い目標です。

3.Cさんの残存機能に着目して支援する。

誤りです。
残存機能に着目することは適切な支援方針ですが、Cさんが達成する具体的な状態を示していないため、短期目標としては不十分です。

4.週2回、息子にCさんの自宅を訪問してもらう。

誤りです。
息子の行動を定めたものであり、Cさん本人の達成目標ではありません。仕事が忙しい息子へ一方的に訪問を求めることも適切ではありません。

5.訪問介護員(ホームヘルパー)と一緒に掃除をすることができるようになる。

正しいです。
長期目標に直接つながり、Cさんの残っている力を生かしながら、必要な支援を受けて達成することができる具体的な短期目標です。

覚えるポイント

  • 短期目標は、長期目標の達成につながる内容にする。
  • 目標は、支援者ではなく本人を主語にする。
  • 本人の状態に合った、具体的で達成可能な目標にする。
  • 支援方針と生活上の目標を区別する。
  • 介護福祉職がすべてを代行せず、本人のできることを生かす。
  • 実施結果を記録し、評価と計画の見直しにつなげる。

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