36Q4|第36回 介護福祉士国家試験 過去問
Bさん(90歳、女性、要介護3)は、介護老人福祉施設に入所している。入浴日に、担当の介護福祉職が居室を訪問し、「Bさん、今日はお風呂の日です。時間は午後3時からです」と伝えた。しかし、Bさんは言っていることがわからなかったようで、「はい、何ですか」と困った様子で言った。 このときの、介護福祉職の準言語を活用した対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 3
正答
3.大きな声でゆっくり伝えた。
この問題のポイント
準言語とは、話す内容そのものではなく、声の大きさ、話す速さ、声の高さ、抑揚、間、リズム、口調など、言葉に伴う音声上の特徴です。
Bさんが聞き取りにくそうにしているため、選択肢の中では、聞こえやすい声量で、ゆっくりと伝える対応が最も適切です。
解説
介護福祉職が同じ言葉を使っても、声の大きさや速度、口調によって伝わり方は変わります。これらが準言語です。強い口調は叱責のように受け取られることがあり、早口や急かす話し方は理解を難しくします。抑揚のない話し方も、重要な部分がわかりにくくなります。
Bさんは「はい、何ですか」と困った様子を示しています。まず正面から近づいて名前を呼び、こちらに注意が向いていることを確認します。そのうえで、普段の聞こえ方に合わせた聞き取りやすい声量で、ゆっくり、短く区切って伝えます。
選択肢3の「大きな声」は、怒鳴ることや強い口調を意味しません。必要以上に大声を出すと、音がひずんで聞き取りにくくなったり、本人の尊厳を損なったりすることがあります。実際の支援では、本人の反応を見ながら声量を調整し、「今日はお風呂の日です」「午後3時からです」のように、一つずつわかりやすく伝えます。
聞き取りにくさの原因は聴力低下だけとは限りません。周囲の雑音、注意の向き、疲労、理解しにくい情報量なども影響します。必要に応じて、予定表や時計を示すなど、視覚情報も組み合わせます。
ひっかけポイント
「大きな声」と「強い口調」は別です。聞き取りやすい声量は必要ですが、怒鳴ったり威圧したりしてはいけません。
介護実践でのポイント
正面から声をかけ、注意が向いてから、一文を短くし、ゆっくり伝えます。伝えた後は、「わかりましたか」と一方的に確認するだけでなく、表情や返答から理解の程度を確かめます。
選択肢の確認
1.強い口調で伝えた。
適切ではありません。
強い口調は、怒りや命令の印象を与え、Bさんを萎縮させるおそれがあります。声量を調整することと、威圧的に話すことは異なります。
2.抑揚をつけずに伝えた。
適切ではありません。
抑揚がないと、文の区切りや大切な部分が伝わりにくくなります。自然な抑揚と間をつけて、要点をわかりやすく示します。
3.大きな声でゆっくり伝えた。
正答。最も適切です。
聞き取りやすい声量とゆっくりした速度は、Bさんが内容を受け取りやすくする準言語的な工夫です。実際には怒鳴らず、本人の聞こえ方に合わせて声量を調整します。
4.急かすように伝えた。
適切ではありません。
急かす話し方は、Bさんが情報を理解し返答する時間を奪います。不安や混乱を強める可能性があるため、十分な間をとります。
5.早口で伝えた。
適切ではありません。
早口では言葉を聞き分け、意味を処理することが難しくなります。短い文で、ゆっくり伝えることが適切です。
覚えるポイント
準言語には、声量、速度、声の高さ、抑揚、間、リズム、口調が含まれます。
聞き取りにくい人には、正面から、注意が向いてから、ゆっくり短く伝えます。
声は聞き取りやすい大きさに調整しますが、怒鳴りません。
情報を一度に詰め込まず、一つずつ伝えて反応を確認します。
必要に応じて、文字、時計、予定表などの視覚情報も組み合わせます。