34Q4|第34回 介護福祉士国家試験 過去問
利用者とのコミュニケーション場面で、介護福祉職が行う自己開示の目的として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 2
正答
2.利用者との信頼関係を形成するために行う。
この問題のポイント
自己開示とは、自分の経験、考え、感情などを相手に伝えることです。介護福祉職が行う場合は、利用者との援助関係に役立つ範囲で、意図的かつ適切に行います。
自己開示の中心的な目的は、介護福祉職を理解してもらい、安心して話せる関係をつくることです。支援者自身の満足や、利用者に無理に話させるために行うものではありません。
解説
利用者は、初対面の介護福祉職や、まだ関係が十分にできていない相手に、自分の生活や悩みをすぐに話せるとは限りません。介護福祉職が、役割や支援の目的を説明し、必要に応じて自分について適度に伝えることで、相手は支援者を身近で予測可能な存在として感じやすくなります。
自己開示は、何でも話せばよいというものではありません。利用者の利益につながるか、利用者へ負担をかけないか、専門職としての境界を越えないかを考えて行います。私生活の詳細を長く話したり、利用者に支援者の悩みを聞いてもらったりすることは、援助関係の目的から外れます。
ジョハリの窓では、自分も他者も知っている領域を「開放された部分」といいます。適切な自己開示や他者からのフィードバックによって、この領域は広がります。自己理解と相互理解が進み、コミュニケーションを取りやすくなるという考え方です。
利用者が自分の情報を話しやすくなることは、自己開示によって生じることのある効果です。しかし、相手から情報を引き出すこと自体を目的にして、話したくないことまで語らせてはいけません。利用者には、話す内容と範囲を自分で決める権利があります。
自己を深く分析し、価値観や感情の傾向を客観的に理解することは自己覚知です。自己開示と関連はありますが、用語の意味と目的は区別して覚えます。
ひっかけポイント
自己開示は「自分のことをたくさん話すこと」ではありません。利用者との信頼関係に必要で、利用者の利益になる範囲にとどめます。
介護実践でのポイント
自己開示をする前に、「この話は利用者の安心や理解に役立つか」「利用者に気遣いをさせないか」「守るべき専門職の境界を越えないか」を考えます。
選択肢の確認
1.ジョハリの窓(Johari Window)の「開放された部分(open area)」を狭くするために行う。
誤り。
適切な自己開示は、ジョハリの窓の「開放された部分」を狭くするのではなく、相互理解を進めて広げる方向に働きます。
2.利用者との信頼関係を形成するために行う。
正答。最も適切です。
介護福祉職が援助に必要な範囲で自分を伝えることで、利用者の安心感と相互理解を高め、信頼関係の形成につなげます。
3.利用者が自分自身の情報を開示するために行う。
誤り。
利用者が自分のことを話しやすくなる場合はありますが、利用者の情報を引き出すことだけが自己開示の目的ではありません。話すかどうかは利用者が決めます。
4.利用者との信頼関係を評価するために行う。
誤り。
自己開示は、信頼関係がどの程度できているかを測定するための方法ではありません。関係づくりを促すコミュニケーションの一つです。
5.自己を深く分析し、客観的に理解するために行う。
誤り。
自分の価値観、感情、行動傾向などを振り返って客観的に理解することは、自己覚知の説明です。自己開示の目的とは異なります。
覚えるポイント
自己開示は、自分についての情報や感情を相手に伝えることです。
介護福祉職の自己開示は、利用者との信頼関係を形成するために、援助に必要な範囲で行います。
ジョハリの窓の「開放された部分」は、適切な自己開示などによって広がります。
自己覚知は、自分の価値観や感情、行動傾向を客観的に理解することです。
専門職の自己開示では、利用者の利益と適切な境界を守ります。