34Q5第34回 介護福祉士国家試験 過去問

人間と社会社会の理解

2016年(平成28年)に閣議決定された、「ニッポン一億総活躍プラン」にある「地域共生社会の実現」に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 2

正答

2.我が事・丸ごとの地域づくり

この問題のポイント

2016年(平成28年)の「ニッポン一億総活躍プラン」で示された地域共生社会の考え方と、別の時代・制度の政策用語を区別する問題です。

地域共生社会では、地域住民が地域の課題を自分自身に関わることとして捉える「我が事」と、分野ごとの縦割りを越えて人や世帯を包括的に支える「丸ごと」が重要なキーワードです。

解説

地域共生社会とは、制度や分野ごとの「支える側」と「支えられる側」という固定的な関係を越え、子ども、高齢者、障害のある人など、地域のすべての人が役割をもち、支え合いながら暮らすことのできる社会を目指す考え方です。

「我が事」は、地域で起きている課題を、一部の専門職や当事者だけの問題にせず、住民一人ひとりが自分にも関わる地域の課題として捉え、地域づくりに参加することを表します。

「丸ごと」は、高齢、障害、子育て、生活困窮などの制度別・対象別の縦割りを越えて、本人だけでなく世帯全体の複合的な課題を受け止め、必要な機関が連携して包括的に支援することを表します。例えば、高齢の親の介護、障害のある子の生活、家計の困窮が一つの世帯で重なっている場合に、一つの制度だけで切り分けず、世帯全体を捉えます。

介護福祉職には、利用者個人の身体介護だけを見るのではなく、家族関係、住まい、経済状況、地域とのつながり、本人の役割などを把握し、地域住民や多職種と連携して生活を支える視点が求められます。

ほかの選択肢は、憲法上の権利、社会保障制度の成立、税制・社会保障改革など、地域共生社会とは異なる文脈の用語です。年代と政策内容を組み合わせて整理します。

ひっかけポイント
「我が事」は自己責任という意味ではありません。地域課題を住民も共有するという意味です。「丸ごと」は一人の支援者が全部行うという意味ではなく、制度や機関が連携して包括的に支えることです。

介護実践でのポイント
利用者の困りごとを介護サービスの範囲だけで判断せず、住まい、家族、経済、孤立などを含めて把握します。介護福祉職だけで解決しようとせず、地域包括支援センター、相談支援機関、行政、地域住民などと連携します。

選択肢の確認

1.日本型福祉社会の創造
誤り。
「日本型福祉社会」は、家族や地域の相互扶助を重視した別の時代の政策理念です。2016年の「ニッポン一億総活躍プラン」で地域共生社会の実現を表した中心語ではありません。

2.我が事・丸ごとの地域づくり
正答。最も適切です。
地域住民が地域の課題を自分に関わる問題として捉える「我が事」と、制度の縦割りを越えて本人や世帯を包括的に支える「丸ごと」を組み合わせた地域づくりが示されました。

3.健康で文化的な最低限度の生活の保障
誤り。
「健康で文化的な最低限度の生活」は、日本国憲法第25条の生存権に関する表現です。地域共生社会の実現を示す政策用語ではありません。

4.社会保障と税の一体改革
誤り。
社会保障と税の一体改革は、社会保障の安定財源の確保と税制改革などを一体的に進める政策です。「我が事・丸ごと」の地域づくりとは異なります。

5.皆保険・皆年金体制の実現
誤り。
国民皆保険・皆年金は、すべての国民を公的医療保険と公的年金の仕組みに組み入れる体制で、1961年(昭和36年)に実現しました。2016年の地域共生社会の政策用語ではありません。

覚えるポイント

地域共生社会のキーワードは「我が事・丸ごと」です。

「我が事」は、住民が地域課題を自分にも関わる課題として捉えることです。

「丸ごと」は、制度の縦割りを越え、本人と世帯の複合的な課題を包括的に支えることです。

地域共生社会では、支える側と支えられる側を固定せず、誰もが役割とつながりをもてる地域を目指します。

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