34Q9|第34回 介護福祉士国家試験 過去問
Cさん(78歳、男性、要支援1)は、公的年金(月額19万円)で公営住宅の3階で一人暮らしをしている。妻と死別後も通所型サービスを利用し、自炊を楽しみながら生活している。最近、膝の具合がよくないこともあり、階段の上り下りが負担になってきた。そこで、転居について、通所型サービスのD介護福祉士に相談をした。 次のうち、D介護福祉士がCさんに紹介する住まいの場として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 4
正答
4.サービス付き高齢者向け住宅
この問題のポイント
Cさんの要介護度だけで住まいを選ぶのではなく、現在できていること、望む生活、住まい上の困りごと、経済状況を事例から読み取る問題です。
Cさんは自炊を楽しみ、一人暮らしを続ける力があります。主な困りごとは3階までの階段であるため、バリアフリーの住戸で生活の自由を保ち、安否確認や生活相談を受けられる住まいが適しています。
解説
サービス付き高齢者向け住宅は、一定の居室面積や設備、段差の解消などのバリアフリー基準を満たし、少なくとも安否確認サービスと生活相談サービスを提供する高齢者向けの住宅です。介護施設そのものではなく、賃貸借契約などによって暮らす「住宅」であることが基本です。
Cさんは要支援1で、時間はかかっても自炊を楽しみ、通所型サービスを利用しながら一人暮らしを続けています。現在の生活能力や楽しみを保つことができ、階段の負担を減らせるバリアフリーの住まいとして、サービス付き高齢者向け住宅が最も適しています。
入居後に介護が必要な場合は、住宅のサービス内容を確認したうえで、訪問介護や通所サービスなどの介護保険サービスを別に利用することがあります。すべてのサービス付き高齢者向け住宅が同じ介護体制を備えているわけではないため、家賃、食事、夜間体制、緊急対応、自炊設備、介護サービスとの契約関係などを本人と確認します。
住み替え支援では、介護度だけで施設を勧めず、本人が何を続けたいかを確認します。Cさんにとって自炊は生活上の楽しみであり役割でもあります。安全性を高めながら、その生活をできる限り維持できる住まいを一緒に検討することが自立支援です。
公的年金月額19万円という情報から、家賃やサービス費を継続して支払えるかも確認が必要です。介護福祉職が一つの住宅へ決めるのではなく、本人へ複数の情報を提供し、見学や相談につなげ、Cさんが選択できるように支援します。
ひっかけポイント
「高齢者向けの住まい」は、すべて介護施設ではありません。サービス付き高齢者向け住宅は、安否確認と生活相談が付いたバリアフリーの住宅であり、介護サービスの内容は住宅ごとに確認が必要です。
介護実践でのポイント
住み替えを検討するときは、段差や移動の安全だけでなく、本人が続けたい家事、地域とのつながり、費用、通院、買物、夜間の安心、将来の介護体制を一緒に確認します。
選択肢の確認
1.認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)
適切ではありません。
認知症対応型共同生活介護は、認知症のある要介護者等が少人数で共同生活を送り、介護を受ける地域密着型サービスです。Cさんに認知症があるとの記載はなく、現在の自立した生活を保つ住まいとしては該当しません。
2.介護付有料老人ホーム
適切ではありません。
介護付有料老人ホームは、特定施設入居者生活介護の指定を受け、施設の職員から介護を受ける住まいです。選択肢の中では、要支援1で自炊を楽しむCさんに対して、必要以上に介護を前提とする可能性があります。
3.軽費老人ホームA型
適切ではありません。
軽費老人ホームA型は、家庭環境や住宅事情などにより居宅生活が難しい低所得の高齢者に、低額な料金で住まいと食事などを提供する施設です。Cさんの主な課題は階段であり、自炊を続けたい希望に最も合う選択肢ではありません。
4.サービス付き高齢者向け住宅
正答。最も適切です。
バリアフリー構造の住宅で、安否確認と生活相談を受けながら暮らせます。Cさんが自炊などの生活を続け、必要な介護サービスを組み合わせる選択肢として適しています。
5.養護老人ホーム
適切ではありません。
養護老人ホームは、環境上・経済上の理由により在宅生活が困難な高齢者を、市町村の措置によって入所させる施設です。階段が負担という理由だけで、本人が自由に選ぶ一般的な転居先ではありません。
覚えるポイント
サービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリーの住宅です。
必須のサービスは、安否確認と生活相談です。
介護サービスの提供体制や費用は住宅ごとに異なるため、個別に確認します。
住まいの選択では、要介護度だけでなく、本人の希望、できること、生活習慣、費用、地域とのつながりを確認します。
認知症高齢者グループホームは認知症のある人、養護老人ホームは措置による入所という違いを押さえます。