34Q8第34回 介護福祉士国家試験 過去問

人間と社会社会の理解

次のうち、2020年(令和2年)の社会福祉法等の改正に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。 (注) 2020年(令和2年)の社会福祉法等の改正とは、「地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律(令和2年法律第52号)」をいう。

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正解: 3

正答

3.医療・介護のデータ基盤の整備の推進

この問題のポイント

2020年(令和2年)の改正法に盛り込まれた内容を、以前から存在する制度や、改正の方向性と反対の内容から見分ける問題です。

改正では、地域共生社会に向けた包括的支援体制の整備に加え、医療・介護のデータ基盤の整備、介護人材確保と業務効率化などが進められました。

解説

2020年(令和2年)の「地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律」は、複合化・複雑化した地域生活課題に対応するため、複数の法律を一体的に改正したものです。

社会福祉法では、市町村が属性や世代を問わず相談を受け止め、参加支援と地域づくりを一体的に行う重層的支援体制整備事業が創設されました。高齢、障害、子ども、生活困窮などの制度の狭間にある課題にも、関係機関が連携して対応することを目指します。

介護保険法などでは、介護保険レセプト、要介護認定、高齢者の状態、介護サービスの内容などに関する情報を活用できるようにし、医療・介護のデータ基盤を整備・連結して、施策の分析やサービスの質の向上に役立てる取組が進められました。選択肢3は、この改正の主要事項に該当します。

市町村の地域福祉計画は、この2020年改正で初めて創設されたものではありません。改正事項を問われたときは、その制度が以前から存在していたのか、今回新たに創設・強化されたのかを確認します。

また、改正は施設入所を一律に拡大したり、市町村直営の事業だけを増やしたりする方向ではありません。人によるケアを大切にしながらも、介護人材不足への対応として、ICTや介護ロボット等も活用して業務を効率化し、より必要なケアへ時間を充てる方向が示されています。

ひっかけポイント
選択肢に実在する制度が書かれていても、その制度が「2020年改正で導入されたか」を確認します。地域福祉計画そのものは以前から存在します。

介護実践でのポイント
データ活用は、数字だけで利用者を判断するためではありません。記録や評価を支援の改善に生かし、本人の希望や生活背景を含む個別的なケアと組み合わせます。

選択肢の確認

1.市町村による地域福祉計画の策定
誤り。
市町村地域福祉計画の制度は2020年改正以前から社会福祉法に位置づけられていました。2020年改正の新たな主要事項を示す選択肢ではありません。

2.入所施設の重点的な拡充
誤り。
改正は、入所施設を重点的に増やすことを中心としたものではありません。地域の実情に応じたサービス提供体制と、地域で包括的に支える仕組みの整備を進める内容です。

3.医療・介護のデータ基盤の整備の推進
正答。最も適切です。
医療・介護に関する情報を連結・活用できるデータ基盤の整備は、2020年改正の主要事項の一つです。政策の分析や介護サービスの質の向上に活用します。

4.市町村直営の介護サービス事業の整備拡充
誤り。
介護サービスは市町村直営に限らず、社会福祉法人、医療法人、民間事業者など多様な主体が提供します。市町村直営事業の一律な拡充が改正の中心ではありません。

5.ロボット等の機械の活用から人によるケアへの転換
誤り。
改正では、介護人材確保と業務効率化の観点から、ICTや介護ロボット等の活用も進める方向です。機械の活用をやめて、すべてを人の手へ戻す改正ではありません。

覚えるポイント

2020年改正法の目的は、地域共生社会の実現です。

重層的支援体制整備事業では、相談支援、参加支援、地域づくりを一体的に進めます。

医療・介護のデータ基盤の整備の推進は、2020年改正の主要事項です。

既存制度と新たな改正事項を区別して覚えます。

ICTや介護ロボットは、人によるケアをなくすためではなく、業務を支え、必要なケアへ時間を充てるために活用します。

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