34Q7第34回 介護福祉士国家試験 過去問

人間と社会社会の理解

2015年(平成27年)以降の日本の社会福祉を取り巻く環境に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。 (注) OECDとは、経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development)のことで、2020年(令和2年)現在38か国が加盟している。

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正解: 4

正答

4.高齢世代を支える現役世代(生産年齢人口)は、減少傾向にある。

この問題のポイント

2015年以降の日本で進んでいた人口、世帯、雇用、社会保障負担の傾向を問う問題です。個別の年に一時的な増減があっても、出題時点までの全体的な傾向で判断します。

少子高齢化により、15歳から64歳までを中心とする生産年齢人口は減少しており、社会保障の支え手が相対的に少なくなることが重要な課題です。

解説

日本の総人口は、2008年頃をピークとして減少局面に入り、2015年以降も減少傾向が続いていました。一方で高齢者人口の割合は高まり、生産年齢人口は減少しています。

生産年齢人口は、一般に15歳以上65歳未満の人口を指します。働いている人の全員と一致するわけではありませんが、労働力や社会保障制度の主な支え手となる年代を捉える指標です。生産年齢人口の減少は、介護人材の確保、保険料や税による社会保障の支え方、地域の担い手不足などに影響します。

共働き世帯は、専業主婦世帯が減少する一方で増加していました。家族の形や働き方が変化する中で、家族だけが介護や子育てを担うことには限界があり、社会的な支援の整備が必要になります。

非正規雇用労働者数は、出題で想定された2015年から2019年頃までの期間では、長期的にみて増加傾向でした。2020年には感染症流行の影響による減少がみられましたが、選択肢のように2015年以降一貫して減少傾向だったとはいえません。

国民負担率は、租税負担と社会保障負担を合わせて国民所得などに対する割合で示す指標です。日本は高齢化が進んでいるものの、出題時点の国際比較では、負担率の高い欧州諸国などと比べて上位に位置するとはいえませんでした。

ひっかけポイント
「高齢者が増えている」ことと「総人口が増えている」ことは別です。高齢者の割合が高くなっていても、総人口と生産年齢人口は減少することがあります。

介護実践でのポイント
生産年齢人口の減少は、介護を家族や一部の専門職だけで支えることが難しくなる背景です。介護予防、ICTや福祉用具の適切な活用、多職種連携、地域の支え合いを組み合わせる必要があります。

選択肢の確認

1.人口は、増加傾向にある。
誤り。
日本の総人口は減少局面にあり、2015年以降も増加傾向ではありません。高齢者人口の割合が高まっていることと、総人口が増えていることを混同しないようにします。

2.共働き世帯数は、減少傾向にある。
誤り。
共働き世帯は増加傾向にあり、専業主婦世帯は減少傾向にありました。家族の就労状況の変化は、介護や子育ての社会的支援が必要となる背景の一つです。

3.非正規雇用労働者数は、減少傾向にある。
誤り。
非正規雇用労働者数は、2015年から2019年頃までを含む長期的な推移では増加傾向でした。2020年の一時的な減少だけで、2015年以降全体を減少傾向とは判断できません。

4.高齢世代を支える現役世代(生産年齢人口)は、減少傾向にある。
正答。最も適切です。
少子化と人口構造の変化によって、生産年齢人口は減少傾向にあります。高齢世代を支える現役世代が相対的に少なくなることは、社会保障制度の重要な課題です。

5.日本の国民負担率は、OECD加盟国の中では上位にある。
誤り。
出題時点の国際比較では、日本の国民負担率は、負担率の高い欧州諸国などと比べて上位にあるとはいえません。高齢化率の高さと国民負担率の順位は同じではありません。

覚えるポイント

日本では、総人口と生産年齢人口が減少傾向にあります。

生産年齢人口は、一般に15歳以上65歳未満の人口です。

共働き世帯は増加し、専業主婦世帯は減少する傾向がみられました。

出題時点までの非正規雇用労働者数は、長期的には増加傾向でした。

高齢化率が高いことだけから、国民負担率がOECD上位だと判断してはいけません。

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