36Q3|第36回 介護福祉士国家試験 過去問
U介護老人福祉施設では、利用者の介護計画を担当の介護福祉職が作成している。このため、利用者の個別の介護目標を、介護福祉職のチーム全員で共有することが課題になっている。 この課題を解決するための取り組みとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 5
正答
5.担当以外のチームメンバーもカンファレンス(conference)に参加して、集団凝集性を高める。
この問題のポイント
課題は、担当者だけが作成した介護計画と個別の介護目標を、チーム全員で共有できていないことです。
解決には、多数派へ従わせることではなく、担当以外の職員も話し合いに参加し、利用者の目標、支援方法、役割を理解して、同じ方向で協働できるようにすることが必要です。
解説
カンファレンスは、利用者の情報、希望、生活課題、目標、支援方法、実施状況などを関係者で共有し、支援の方向性を検討する場です。担当以外のチームメンバーも参加すれば、なぜその目標が設定されたのか、誰がどの場面でどのような支援を行うのかを理解できます。
集団凝集性とは、メンバーが集団にまとまりを感じ、共通の目標に向けて協力しようとする結びつきの強さです。単に仲がよいことだけではありません。利用者中心の目標を共有し、互いの役割を理解し、必要な意見を出し合える状態が重要です。
介護計画を実際の生活支援に反映するには、申し送りや記録だけでなく、必要に応じてカンファレンスで疑問や観察結果を出し合います。利用者本人の希望が中心であり、可能な場合は本人や家族の参加、意向の確認も大切です。
一方、同調行動、内集団バイアス、集団圧力を強める方法は、異なる意見や危険への気づきを言い出しにくくし、支援の質を下げるおそれがあります。経験年数や多数派の意見だけで決めるのではなく、根拠と利用者の意向に基づいて検討します。
ひっかけポイント
チームをまとめることと、全員を同じ意見に従わせることは違います。よいチームは、共通目標をもちながらも、必要な疑問や異なる意見を安全に出せます。
介護実践でのポイント
カンファレンスでは、「利用者が望む生活」「現在できていること」「支援が必要なこと」「具体的な方法」「観察点」「担当と連携先」を明確にし、決定事項を記録して共有します。
選択肢の確認
1.管理職がチーム全体に注意喚起して、集団規範を形成する。
適切ではありません。
集団規範は、集団の中で共有される行動の基準やルールです。しかし、管理職が注意するだけでは、利用者ごとの介護目標や、その目標を設定した理由をチーム全員が理解したことにはなりません。具体的な情報共有と話し合いが必要です。
2.現場経験の長い介護福祉職の意見を優先して、同調行動を促す。
適切ではありません。
同調行動は、周囲や多数派に合わせて意見や行動を変えることです。経験者の知識は重要ですが、年数だけで意見を優先し、他の職員を従わせると、重要な観察や疑問が出にくくなります。
3.チームメンバーの懇談会を実施して、内集団バイアスを強化する。
適切ではありません。
内集団バイアスは、自分が属する集団を過度に高く評価し、外部の人や意見を低く評価しやすくなる傾向です。これを強めることは、多職種連携や開かれた検討を妨げます。
4.チームメンバー間の集団圧力を利用して、多数派の意見に統一する。
適切ではありません。
集団圧力によって意見を統一すると、少数意見や安全上の懸念が表明されにくくなります。介護計画は多数決や圧力ではなく、利用者の希望、アセスメント、専門的根拠に基づいて検討します。
5.担当以外のチームメンバーもカンファレンス(conference)に参加して、集団凝集性を高める。
正答。最も適切です。
担当者以外も検討に参加することで、個別目標と支援方法を理解し、共通の目的に向けて協働しやすくなります。利用者中心のチーム支援を実現する方法です。
覚えるポイント
カンファレンスは、利用者の希望、目標、支援方法、役割をチームで共有する場です。
集団凝集性は、共通目標に向かって協力するまとまりです。
集団規範は共有される行動基準、同調行動は周囲に合わせる行動です。
内集団バイアスや集団圧力を強めると、異なる意見や危険への気づきが出にくくなります。
介護計画の中心は、職員の多数意見ではなく、利用者が望む生活です。