36Q2第36回 介護福祉士国家試験 過去問

人間と社会人間の尊厳と自立

次の記述のうち、介護を必要とする人の自立についての考え方として、最も適切なものを1つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 2

正答

2.精神的自立は、生活の目標をもち、自らが主体となって物事を進めていくことである。

この問題のポイント

介護における自立は、「誰の助けも借りずに一人で行うこと」だけを意味しません。

必要な支援や福祉用具を利用しながらでも、本人が目標をもち、選び、決め、生活の主体であり続けることが重要です。この問題では、精神的自立、社会的自立、身体的自立、経済的自立の意味を区別します。

解説

精神的自立とは、自分の生活について目標や希望をもち、自分で考え、選択し、主体的に行動することです。すべての動作を一人で行えるかどうかとは別の概念です。身体介護を受けている人でも、何を着るか、どこで暮らすか、どのような一日を過ごすかを自分で選ぶことができれば、精神的な主体性は保たれます。

介護福祉職は、利用者ができない部分を補うだけでなく、本人が理解しやすい情報を示し、選択肢を用意し、考える時間を確保します。本人が必要な支援を自ら選んで利用することも、自立した生活の一部です。

身体的自立は、食事、移動、排泄、着替えなどの生活動作を、本人の力や福祉用具、環境調整を活用して行うことに関係します。完全に介助が不要であることだけを指すのではありません。

社会的自立は、人との関係をもち、家庭や地域、職場などで役割を担い、社会参加を続けることに関係します。社会的役割から離れることではありません。

経済的自立は、生活に必要な経済的基盤を確保し、本人の状況に応じて金銭や生活資源を管理できることに関係します。必ず就労収入だけで生活するという意味ではなく、年金や社会保障制度を利用することも含めて考えます。

ひっかけポイント
「支援を受ける=自立していない」ではありません。自立とは、支援を拒むことではなく、本人が必要な支援を選び、自分の生活を自分のものとして営むことです。

介護実践でのポイント
介助するときは、本人ができる部分まで奪わないようにします。説明、選択、同意を大切にし、必要な部分だけを支援することが、身体的自立と精神的自立の両方につながります。

選択肢の確認

1.自立は、他者の支援を受けないことである。
誤り。
自立は、援助を一切受けないことではありません。介護、福祉用具、制度、家族や地域の支援を利用しながら、本人が自分の生活を選び、主体的に営むことも自立です。

2.精神的自立は、生活の目標をもち、自らが主体となって物事を進めていくことである。
正答。最も適切です。
本人が希望や目標をもち、自分で考え、選択し、生活の主体として行動することを表しています。身体介助の有無にかかわらず、精神的自立は尊重されます。

3.社会的自立は、社会的な役割から離れて自由になることである。
誤り。
社会的自立は、人とのつながりをもち、家庭や地域などで役割や参加の機会を保つことに関係します。社会的役割から離れることを意味しません。

4.身体的自立は、介護者の身体的負担を軽減することである。
誤り。
身体的自立は、利用者本人が生活動作をどのように行えるかという視点です。介護者の負担軽減は大切ですが、それ自体が身体的自立の定義ではありません。

5.経済的自立は、経済活動や社会活動に参加せずに、生活を営むことである。
誤り。
経済的自立は、生活に必要な経済的基盤を確保し、状況に応じて管理することに関係します。経済活動や社会活動に参加しないことを意味するものではありません。また、年金や各種制度を利用して生活を整えることも否定されません。

覚えるポイント

精神的自立は、目標をもち、自分で選び、主体的に生活することです。

身体的自立は、本人の力、福祉用具、環境を活用して生活動作を行うことです。

社会的自立は、人との関係、役割、社会参加を保つことです。

経済的自立は、生活に必要な経済的基盤を確保し、管理することです。

支援を利用しながら自己決定することも、自立した生活です。

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