35Q4第35回 介護福祉士国家試験 過去問

人間と社会人間関係とコミュニケーション

Bさん(80 歳,女性)は,介護老人保健施設に入所が決まった。今日はBさんが施設に入所する日であり,C介護福祉職が担当者になった。C介護福祉職は,初対面のBさんとの信頼関係の形成に向けて取り組んだ。C介護福祉職のBさんへの対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 3

正答

3.自分から進んで自己紹介をした。

この問題のポイント

施設への入所日は、利用者にとって生活環境が大きく変わる日です。初対面の介護福祉職は、利用者の緊張や不安に配慮しながら、自分が誰で、どのような役割をもつのかをわかりやすく伝える必要があります。

信頼関係は、なれなれしく接することではなく、礼節、安心できる説明、相手の反応を尊重する関わりから始まります。

解説

初対面で介護福祉職が自分から挨拶と自己紹介を行うことは、利用者の不安を軽減し、関係づくりの入口になります。氏名、担当であること、これからどのように支援するのかを簡潔に伝え、相手の呼ばれたい名前や希望も確認します。

Bさんは初めて施設へ入所するため、場所、人、生活の流れがまだわからず、緊張している可能性があります。介護福祉職は、一方的に質問を続けるのではなく、Bさんの表情や返答を見ながら、話す速さ、声の大きさ、距離、姿勢を調整します。

座る位置は、目線の高さを合わせ、相手が圧迫感を抱かない距離や角度を選びます。真正面が常に禁止されるわけではありませんが、初対面で正面から向き合う配置は、相手によっては緊張や圧迫感を強めます。少し斜めに座るなど、Bさんが話しやすい位置を工夫します。

手を握るなどの接触は、本人が望んでいるかを確認せずに行ってはいけません。また、高齢者に子どもへ話すような口調を用いることは、尊厳を損ない、対等な関係づくりを妨げます。

ひっかけポイント
親しみやすさと、なれなれしさは違います。家族のように振る舞うことではなく、専門職として礼節を保ち、本人を一人の成人として尊重することが信頼につながります。

介護実践でのポイント
最初の挨拶では、名乗る、担当であることを伝える、本人の呼ばれ方を確認する、話す目的を説明する、同意を得る、という順序を意識します。

選択肢の確認

1.自発的な関わりをもつことを控えた。
適切ではありません。
Bさんが自分から話すまで何も働きかけないと、不安や孤立感が強まる可能性があります。無理に話を聞き出す必要はありませんが、介護福祉職から穏やかに挨拶し、安心して相談できる相手であることを伝えます。

2.真正面に座って面談をした。
適切ではありません。
真正面に座ると、相手によっては見つめられているような圧迫感や緊張を感じます。初対面では、目線の高さを合わせたうえで、少し斜めに座るなど、Bさんが話しやすい位置と距離を選ぶことが望まれます。

3.自分から進んで自己紹介をした。
正答。最も適切です。
介護福祉職が氏名と役割を伝えることで、Bさんは誰が担当するのかを理解しやすくなり、不安の軽減につながります。礼節を保った自己紹介は、信頼関係を形成する基本です。

4.終始,手を握りながら話をした。
適切ではありません。
接触を安心と感じる人もいれば、不快や負担と感じる人もいます。本人の希望を確認せず、面談中ずっと手を握ることは、個人の境界や自己決定を尊重した対応ではありません。

5.孫のような口調で語りかけた。
適切ではありません。
高齢者を子どものように扱う話し方は、本人の尊厳を損なう可能性があります。親しみを示す場合でも、一人の成人として敬意のある言葉と態度で接します。

覚えるポイント

初対面では、介護福祉職から挨拶と自己紹介を行います。

本人の表情や反応を見ながら、声、速度、距離、座る位置を調整します。

身体接触は、本人の希望や同意を確認して行います。

高齢者にも一人の成人として敬意を払い、子ども扱いする話し方を避けます。

信頼関係は、礼節、説明、傾聴、約束を守ることの積み重ねで形成されます。

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