36Q5|第36回 介護福祉士国家試験 過去問
V介護老人福祉施設では、感染症が流行したために、緊急的な介護体制で事業を継続することになった。さらに労務管理を担当する職員からは、介護福祉職の精神的健康を守ることを目的とした組織的なマネジメントに取り組む必要性について提案があった。 次の記述のうち、このマネジメントに該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 4
正答
4.介護福祉職の燃え尽き症候群(バーンアウト(burnout))を防止する。
この問題のポイント
問題文は、感染症対策そのものではなく、緊急的な勤務体制の中で働く介護福祉職の「精神的健康を守るための組織的なマネジメント」を問うています。
職員の心身の負担を把握し、燃え尽き症候群を予防することが、目的に最も直接的に合っています。
解説
燃え尽き症候群は、強い負担が長く続く中で、心身のエネルギーが消耗し、仕事への意欲や達成感が低下したり、利用者や同僚との関係に距離を感じたりする状態です。介護現場では、責任の重さ、人手不足、長時間労働、感情労働、感染への不安、急な勤務変更などが重なると、リスクが高まります。
感染症流行時に事業を継続するためには、感染防止と同時に、職員の休息、勤務負担、相談体制、情報共有を整える必要があります。組織は、個人に「頑張るように」と求めるだけでなく、業務量と人員配置の見直し、休憩と休日の確保、管理監督者による声かけ、相談窓口、産業保健スタッフなどとの連携を進めます。
メンタルヘルス対策では、職員自身がストレスに気づくセルフケアだけでなく、管理監督者によるラインケア、事業場内の産業保健スタッフ等によるケア、外部専門機関によるケアを組み合わせます。心の不調を個人の弱さとして扱わず、職場環境の改善を含めて組織的に予防することが大切です。
感染防止、多職種連携、利用者支援、面会方法の見直しも事業継続には必要です。しかし、設問が特に示している目的は「介護福祉職の精神的健康を守ること」であるため、燃え尽き症候群の防止が正答です。
ひっかけポイント
感染症流行という場面に引きずられて、感染対策を選ばないようにします。設問の中心語は「介護福祉職の精神的健康」です。
介護実践でのポイント
職員の疲労や不調の兆候には、表情の変化、遅刻や欠勤の増加、集中力低下、いら立ち、相談の減少などがあります。管理者は責めずに話を聞き、必要な休息や業務調整、専門職への相談につなげます。
選択肢の確認
1.感染防止対策を強化する。
適切ではありません。
感染防止は利用者と職員の身体的安全、事業継続のために不可欠です。しかし、この選択肢は、職員の精神的健康を守ることを目的としたマネジメントを直接示していません。
2.多職種チームでの連携を強化する。
適切ではありません。
連携の強化は支援の質や情報共有に役立ち、結果として負担軽減につながることもあります。ただし、職員の精神的健康を守るという目的に対して、最も直接的な内容ではありません。
3.利用者のストレスをコントロールする。
適切ではありません。
利用者の不安やストレスを和らげる支援は重要ですが、問題文が求めている対象は介護福祉職です。また、他者のストレスを一方的に「コントロールする」と考えるのではなく、原因を理解し、安心できる環境を整えます。
4.介護福祉職の燃え尽き症候群(バーンアウト(burnout))を防止する。
正答。最も適切です。
職員の精神的健康を守るという目的に直接対応しています。勤務負担の調整、休息の確保、相談体制、職場環境の改善などを組織的に行います。
5.利用者家族の面会方法を見直す。
適切ではありません。
感染防止や利用者・家族との関係を保つために必要な検討ですが、介護福祉職のメンタルヘルスを守るマネジメントそのものではありません。
覚えるポイント
燃え尽き症候群は、慢性的な仕事上の負担による心身の消耗と関係します。
予防には、個人のセルフケアだけでなく、業務量、人員配置、休息、相談体制などの職場環境改善が必要です。
メンタルヘルスの4つのケアは、セルフケア、ラインによるケア、事業場内産業保健スタッフ等によるケア、事業場外資源によるケアです。
感染症対策と職員の心の健康対策は、どちらも事業継続に必要ですが、目的を区別して考えます。