36Q27|第36回 介護福祉士国家試験 過去問
男性に比べて女性に尿路感染症(urinary tract infection)が起こりやすい要因として、最も適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を見る
正解: 2
正答
2.尿道が短く直線的である。
この問題のポイント
尿路感染症の多くは、尿道口から入った細菌が膀胱などへ上行して起こります。
女性は男性より尿道が短く、細菌が膀胱へ到達しやすいため、尿路感染症が起こりやすくなります。
解説
尿は、腎臓でつくられ、尿管を通って膀胱にたまり、尿道から体外へ排出されます。尿路感染症は、この尿路のいずれかに細菌などが感染した状態で、膀胱炎や腎盂腎炎などがあります。
女性の尿道は男性より短く、比較的直線的です。また、尿道口が肛門に近いため、腸内細菌などが尿道から入り、膀胱へ上行しやすい構造になっています。これが、女性に尿路感染症が多い主な解剖学的要因です。
高齢者では、典型的な排尿時痛や頻尿が目立たず、発熱、食欲低下、元気がない、意識状態の変化などとして現れることもあります。ただし、症状だけで尿路感染症と決めつけず、普段との違いを観察して医療職へ報告します。
ひっかけポイント
「女性ホルモンがあるから感染しやすい」のではありません。閉経後は女性ホルモンの低下により尿路感染症のリスクが上がることがありますが、この問題で問われている基本的な要因は尿道の短さです。
介護実践でのポイント
医師から水分制限を受けていない場合の適切な水分摂取、排尿を我慢しすぎないこと、陰部の清潔保持などを支援します。排尿時痛、頻尿、尿の混濁や血尿、発熱、腰背部痛などを観察し、異常時は報告します。
選択肢の確認
1.子宮の圧迫がある。
適切ではありません。
子宮があること自体が、女性全般に尿路感染症が起こりやすい主な理由ではありません。妊娠など特定の状況では尿路への影響が生じますが、基本的な男女差は尿道の構造によります。
2.尿道が短く直線的である。
正答。最も適切です。
女性は尿道が短く、細菌が尿道口から膀胱へ上行しやすいため、男性より尿路感染症が起こりやすくなります。
3.腹部の筋力が弱い。
適切ではありません。
腹筋力の低下が排尿動作などに影響することはありますが、女性に尿路感染症が多い基本的な要因ではありません。
4.女性ホルモンの作用がある。
適切ではありません。
女性ホルモンが作用すること自体が感染を起こしやすくするわけではありません。むしろ閉経後に女性ホルモンが低下すると、尿路や腟周囲の環境が変化して感染リスクが高まることがあります。
5.尿道括約筋が弛緩{しかん}している。
適切ではありません。
女性の尿道括約筋が常に弛緩しているわけではありません。尿道括約筋の状態は尿失禁などには関係しますが、女性に尿路感染症が多い基本的な理由ではありません。
覚えるポイント
女性は尿道が短く、尿道口が肛門に近いため、上行性感染が起こりやすくなります。
尿路感染症では、排尿時痛、頻尿、尿の混濁、血尿、発熱などを観察します。
高齢者では典型的な症状が乏しいことがあるため、普段との違いを捉えます。
介護福祉職は診断せず、観察した事実を医療職へ報告します。