36Q25第36回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみこころとからだのしくみ

Gさん(79歳、男性)は、介護老人保健施設に入所している。Gさんは普段から食べ物をかきこむように食べる様子がみられ、最近はむせることが多くなった。義歯は使用していない。食事は普通食を摂取している。ある日の昼食時、唐揚げを口の中に入れたあと、喉をつかむようなしぐさをし、苦しそうな表情になった。 Gさんに起きていることとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 5

正答

5.窒息(choking)

この問題のポイント

食事中に食物を口へ入れた直後、喉をつかむようなしぐさをして苦しそうになっています。これは、食物が気道をふさいだときにみられる代表的な窒息のサインです。

発症の速さと、食事との直接的な関係から判断します。

解説

窒息は、食物や異物によって気道が狭くなったり、完全にふさがれたりして、呼吸ができなくなる状態です。突然苦しみ始める、声が出せない、十分に咳ができない、喉をつかむ、顔色が悪くなるなどの徴候がみられます。

Gさんは、食べ物をかきこむように食べ、最近むせることが増えていました。義歯を使用しておらず、普通食の唐揚げを口に入れた直後に喉をつかんでいます。これらは、十分に咀嚼できないまま食物が気道をふさいだ可能性を示します。

窒息が疑われるときは、まず呼吸、発声、咳ができるかを確認し、直ちに周囲へ応援を求めます。強い咳ができる場合は咳を促し、できない場合は施設の緊急手順に従って気道異物除去と救急要請を行います。反応がなくなった場合は、一次救命処置へ移ります。介護福祉職が口の中を見ずに指を入れて異物を探ると、異物を奥へ押し込む危険があります。

ひっかけポイント
誤嚥性肺炎は、誤嚥した内容物によって肺に炎症が起きる状態です。食物を口に入れた直後に喉をつかんで突然苦しむ状態は、まず窒息を考えます。

介護実践でのポイント
窒息予防では、本人の咀嚼・嚥下機能に合った食形態、一口量、姿勢、食べる速さ、義歯の状態、口腔内の確認が重要です。急いで食べる傾向がある場合は、本人の尊厳に配慮しながら安全なペースを支援します。

選択肢の確認

1.心筋梗塞(myocardial infarction)
適切ではありません。
心筋梗塞では、強い胸痛、圧迫感、冷汗、吐き気などがみられます。食物を口に入れた直後に喉をつかむしぐさは、気道異物による窒息を強く示します。

2.蕁麻疹{じんましん}(urticaria)
適切ではありません。
蕁麻疹では、皮膚の膨疹、かゆみ、赤みなどがみられます。重いアレルギー反応では呼吸困難を生じることもありますが、この事例では食物による気道閉塞を示す喉をつかむしぐさが中心です。

3.誤嚥性肺炎{ごえんせいはいえん}(aspiration pneumonia)
適切ではありません。
誤嚥性肺炎では、発熱、咳、痰、呼吸状態の悪化、食欲低下などがみられます。食物を口に入れた直後に突然喉をつかんで苦しむ状態とは経過が異なります。

4.食中毒(foodborne disease)
適切ではありません。
食中毒では、原因となる食品を摂取してから一定時間後に、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などが現れることが一般的です。一口食べた直後の急な気道症状を説明できません。

5.窒息(choking)
正答。最も適切です。
食事直後の突然の苦しさと、喉をつかむしぐさは、食物による気道閉塞の代表的なサインです。直ちに安全確認と緊急対応が必要です。

覚えるポイント

食事中の突然の呼吸困難、発声不能、弱い咳、喉をつかむしぐさは窒息を疑います。

窒息はその場で起こる急変であり、誤嚥性肺炎は誤嚥後に肺の炎症が生じた状態です。

窒息時は、呼吸、発声、咳、意識を確認し、応援要請と救急対応を直ちに行います。

予防では、食形態、一口量、姿勢、咀嚼、食べる速さ、義歯の状態を確認します。

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