35Q44第35回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみ認知症の理解

認知症ケアの技法であるユマニチュードに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 4

正答

4.「立つ」とは、立位をとる機会を作ることである。

この問題のポイント

ユマニチュードは、「見る」「話す」「触れる」「立つ」の4つの柱を組み合わせ、相手に「あなたを大切に思っている」と伝えるケアの技法です。

この問題では、4つの柱の具体的な方法と、オートフィードバックの意味を確認します。

解説

ユマニチュードでは、ケアを行う側の気持ちだけでなく、その思いが本人に伝わるように、言語と非言語のコミュニケーションを意識して用います。本人を一人の大人として尊重し、ケアの前に説明して同意を得ることが基本です。

「見る」では、相手と同じ目の高さになり、正面から近い距離で、視線を合わせます。上から見下ろしたり、離れた場所から観察するだけではありません。

「話す」では、穏やかで大きすぎない声、低めの落ち着いた調子、前向きな言葉を用います。返事がないときも無言でケアを進めず、自分が行っているケアを肯定的な言葉で実況する「オートフィードバック」を用います。

「触れる」では、いきなり手首をつかんだり、指先だけで触れたりせず、手のひらなど広い面を使い、肩や背中などからゆっくりと触れます。つかむ動作は、本人に拘束や支配のメッセージとして伝わることがあります。

「立つ」では、本人の能力と安全を確認しながら、日常生活の中に立位をとる機会をつくります。立つことは、筋力、関節可動域、循環、呼吸などの身体機能を保つだけでなく、周囲と同じ高さで関わり、本人らしさや尊厳を支える意味があります。

ひっかけポイント
オートフィードバックは、介護福祉職がケアを採点・評価することではありません。「温かいタオルで右腕を拭いていますね」など、今しているケアを前向きな言葉で伝え続ける方法です。

介護実践でのポイント
ユマニチュードは、本人の拒否を押し切る技術ではありません。説明と同意を大切にし、合意が得られない場合は、緊急性を確認したうえで時間や方法、担当者を変えることも検討します。

選択肢の確認

1.「見る」とは、離れた位置からさりげなく見守ることである。
誤り。
ユマニチュードの「見る」は、相手と同じ目の高さで、正面から近づき、視線を合わせる技術です。離れた位置から見守るだけでは、相手に親密さや尊重を十分に伝えられません。

2.「話す」とは、意識的に高いトーンの大きな声で話しかけることである。
誤り。
穏やかで大きすぎない声、低めの落ち着いた調子、肯定的な言葉を用います。高いトーンの大声は、緊張や威圧感につながることがあります。

3.「触れる」とは、指先で軽く触れることである。
誤り。
指先だけで突然触れるのではなく、手のひらなど広い面を使い、つかまず、ゆっくりと触れます。敏感な部位にいきなり触れないことも重要です。

4.「立つ」とは、立位をとる機会を作ることである。
正しい。
本人の身体機能と安全に応じて、日常生活の中に立つ機会をつくります。立位は身体機能の維持と、人としての尊厳の保持につながります。

5.「オートフィードバック」とは、ケアを評価することである。
誤り。
オートフィードバックは、相手から返答がないときなどに、介護福祉職が現在行っているケアを肯定的な言葉で実況する技法です。ケアの評価を行うことではありません。

覚えるポイント

ユマニチュードの4つの柱は、「見る」「話す」「触れる」「立つ」です。

見るときは同じ高さ・正面・近い距離、話すときは穏やかで肯定的な言葉を用います。

触れるときは広い面でゆっくり触れ、つかまないようにします。

オートフィードバックは、ケアの内容を前向きな言葉で実況する方法です。

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