35Q29第35回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみこころとからだのしくみ

大切な人を亡くした後にみられる,寂しさやむなしさ,無力感などの精神的反応や,睡眠障害,食欲不振,疲労感などの身体的反応を表すものとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 2

正答

2.グリーフ(grief)

この問題のポイント

大切な人や物を失ったときに生じる、精神的、身体的、認知的、行動的な反応をグリーフといいます。

悲しみだけでなく、睡眠や食欲、身体の疲れにも変化が現れることを理解します。

解説

グリーフは、死別などの喪失を経験した人に生じる悲嘆反応です。寂しさ、むなしさ、怒り、罪悪感、無力感、不安などの感情だけでなく、集中しにくい、故人のことが頭から離れない、眠れない、食欲が低下する、疲れやすいといった反応もみられます。

悲嘆の現れ方や続く期間は、故人との関係、死別の経過、本人の生活史、文化、支援者の有無などによって異なります。反応が一定の順序で進むとは限らず、悲しみが一度軽くなった後に再び強くなることもあります。通常の悲嘆を安易に病気と決めつけないことが大切です。

支援では、無理に元気づけたり、早く立ち直るように促したりせず、本人が語りたいことを傾聴します。食事や睡眠、日常生活、安全が大きく損なわれている状態が長く続く場合や、自傷・自殺を考えている様子がある場合は、医療職や専門機関へつなぎます。

ひっかけポイント
グリーフは精神的な悲しみだけではありません。睡眠障害、食欲不振、疲労感、動悸など、身体面の反応を伴うことがあります。

介護実践でのポイント
「いつまでも悲しまないで」「頑張って」と急がせず、本人のペースを尊重します。故人の思い出を話したいときには、否定せずに聴き、必要に応じて家族や専門職と連携します。

選択肢の確認

1.認知症(dementia)
適切ではありません。
認知症は、脳の病気などによって認知機能が低下し、日常生活に支障が生じる状態です。死別後に生じる悲嘆反応そのものを表す言葉ではありません。

2.グリーフ(grief)
正答。最も適切です。
大切な人を亡くした後にみられる寂しさ、むなしさ、無力感などの精神的反応や、睡眠障害、食欲不振、疲労感などの身体的反応を含む悲嘆を表します。

3.リビングウィル(living will)
適切ではありません。
リビングウィルは、将来、自分で意思表示できなくなった場合に備えて、終末期医療などに関する希望を事前に示しておくことです。死別後の反応ではありません。

4.スピリチュアル(spiritual)
適切ではありません。
スピリチュアルは、生きる意味、価値、希望、つながりなど、人の存在に関わる側面を表す言葉です。喪失によってスピリチュアルな苦痛が生じることはありますが、設問の一連の反応を表す用語はグリーフです。

5.パニック障害(panic disorder)
適切ではありません。
パニック障害は、突然の強い不安と動悸、息苦しさなどを伴うパニック発作を繰り返し、発作への不安が続く状態です。死別後の一般的な悲嘆反応を示す用語ではありません。

覚えるポイント

グリーフは、死別などの喪失に伴う悲嘆反応です。

感情だけでなく、睡眠、食欲、疲労、集中力、行動にも変化が現れます。

悲嘆の形や期間には個人差があり、安易に病気と決めつけません。

支援では傾聴と本人のペースを大切にし、生活への深刻な影響が続く場合は専門職につなぎます。

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