35Q28第35回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみこころとからだのしくみ

高齢者の睡眠薬の使用に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 2

正答

2.翌朝まで作用が残ることがある。

この問題のポイント

高齢者では、薬物の代謝・排泄能力や薬への感受性が変化し、睡眠薬の作用が翌朝まで残ることがあります。

持ち越し効果、ふらつき、転倒、依存、アルコールとの併用リスクを理解します。

解説

高齢者では、肝機能や腎機能の低下、体内の水分・脂肪の割合の変化、複数の薬剤の併用などによって、薬の作用が強く出たり長く続いたりすることがあります。睡眠薬を服用すると、翌朝まで眠気、注意力低下、ふらつき、筋力低下、記憶への影響などが残る場合があります。これを持ち越し効果といいます。

夜間にトイレへ移動するときや起床直後は、眠気やふらつきによる転倒に特に注意します。服用後に歩く必要がないように環境を整え、足元の照明、履物、手すり、ナースコールなどを確認します。

睡眠薬には、種類や使用方法によって依存や耐性、急な中止による反跳性不眠が生じるものがあります。本人や介護福祉職の判断で量を増減したり中止したりせず、効果や副作用を観察して医師・薬剤師・看護職へ伝えます。

アルコールは睡眠薬の中枢神経抑制作用を強め、強い眠気、ふらつき、呼吸抑制などの危険を高めるため、併用してはいけません。服用時刻や食事との関係は薬剤によって異なるため、処方内容と指示に従います。

ひっかけポイント
睡眠薬を飲むと「よく眠れる」だけではありません。翌朝の眠気やふらつきも重要な副作用であり、高齢者では転倒につながりやすくなります。

介護実践でのポイント
服用後の眠気、ふらつき、歩行状態、夜間の覚醒、転倒、呼吸状態、日中の活動性を観察します。薬の調整は介護福祉職が独断で行わず、観察した事実を医療職へ報告します。

選択肢の確認

1.依存性は生じにくい。
適切ではありません。
睡眠薬の種類や使用期間によっては、身体的・心理的依存や耐性が生じることがあります。急に中止すると不眠が強くなることもあるため、医師の指示に従います。

2.翌朝まで作用が残ることがある。
正答。最も適切です。
高齢者では薬の代謝や排泄が遅くなりやすく、翌朝まで眠気、ふらつき、注意力低下などが残ることがあります。

3.食事後すぐの服用が望ましい。
適切ではありません。
睡眠薬は一般に就寝直前など、処方された時刻に服用します。食事の影響を受ける薬もあるため、「食後すぐが望ましい」と一律に決めることはできません。

4.アルコールと一緒に飲んでも効果は変わらない。
適切ではありません。
アルコールは睡眠薬の作用を強め、過度の眠気、ふらつき、判断力低下、呼吸抑制などを起こす危険があります。併用してはいけません。

5.転倒の原因にはならない。
適切ではありません。
眠気、ふらつき、筋弛緩、注意力低下などによって転倒の危険が高まります。特に夜間の排泄時と起床直後に注意が必要です。

覚えるポイント

高齢者では睡眠薬の作用が長く続き、翌朝へ持ち越すことがあります。

睡眠薬は、ふらつき、転倒、記憶への影響、依存などに注意します。

睡眠薬とアルコールを併用してはいけません。

服用量や中止を自己判断せず、効果と副作用を観察して医療職へ報告します。

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