35Q19|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
Hさん(75歳、男性)は、一人暮らしであるが、隣人と共に社会活動にも積極的に参加し、ゲートボールや詩吟、芸術活動など多くの趣味をもっている。また、多くの友人から、「Hさんは、毎日を有意義に生活している」と評価されている。Hさん自身も友人関係に満足している。 ライチャード(Reichard, S.)による老齢期の性格類型のうち、Hさんに相当するものとして、適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 4
正答
4.円熟型
この問題のポイント
ライチャードは、老齢期への適応の仕方を、円熟型、防衛型、依存型、憤慨型、自責型の5つに分類しました。
Hさんは、社会活動や趣味に主体的に参加し、友人との関係にも満足しながら、毎日を有意義に過ごしています。このように老いを受け入れ、生活や人間関係に満足している状態は円熟型に該当します。
解説
円熟型は、自分のこれまでの人生や現在の老いを受け入れ、将来にも現実的に向き合いながら、他者との関係や生活に満足している類型です。活動に柔軟に参加し、自分にも周囲にも過度な敵意や不満を抱かず、老齢期へ安定して適応していることが特徴です。
Hさんは、一人暮らしでありながら隣人と社会活動に参加し、ゲートボール、詩吟、芸術活動など多様な趣味を楽しんでいます。さらに、多くの友人から有意義な生活をしていると評価され、本人も友人関係に満足しています。こうした記述から、生活を肯定的に受け止め、周囲と良好な関係を保っている円熟型と判断できます。
活動的である点だけを見ると、防衛型と迷う可能性があります。しかし、防衛型では老化への不安を認めまいとして、活動し続けたり弱さを見せないようにしたりする傾向があります。本問にはそのような不安や老いの否認はなく、本人の満足感や良好な対人関係が強調されています。
ひっかけポイント
「活動的である」という事実だけで円熟型と判断するのではありません。活動の背景に老化への不安や否認があるのか、それとも老いを受け入れ、生活や人間関係に満足しているのかを見分けます。
介護実践でのポイント
この性格類型は試験上の理論であり、実際の高齢者を固定的に分類するためのものではありません。支援では、本人の生活歴、価値観、希望、得意なことを個別に把握し、本人が望む活動や人間関係を継続できるようにします。
選択肢の確認
1.自責型
誤りです。
自責型は、自分の人生を否定的に捉え、不満や失敗の原因を自分に向けて、自分を責める傾向がある類型です。Hさんには自己否定や後悔は示されておらず、生活や友人関係に満足しています。
2.防衛型(装甲型)
誤りです。
防衛型は、老化への不安を認めないように活動を続け、弱さや他者への依存を避けようとする類型です。Hさんは活動的ですが、老いへの否認や不安ではなく、生活への満足と良好な友人関係が示されています。
3.憤慨型
誤りです。
憤慨型は、自分の老いや不満の原因を他者や社会に向け、敵意や怒りを抱きやすい類型です。Hさんには周囲への怒りや不満はなく、友人関係にも満足しています。
4.円熟型
正しいです。
自分の人生や老いを受け入れ、他者との関係を保ちながら、現在の生活に満足している類型です。多様な活動に参加し、友人関係にも満足しているHさんの状態に該当します。
5.依存型(安楽いす型)
誤りです。
依存型は、老いを受け入れてはいるものの、他者に頼りながら責任の少ない安楽な生活を求める類型です。Hさんは社会活動や趣味に主体的に参加しており、この類型には該当しません。
覚えるポイント
- 円熟型は、老いを受け入れ、生活や人間関係に満足している。
- 防衛型は、老化への不安を否認し、活動や自立に固執しやすい。
- 依存型は、他者に頼り、責任の少ない安楽な生活を求める。
- 憤慨型は、不満の原因を他者に向け、怒りや敵意を抱きやすい。
- 自責型は、不満の原因を自分に向け、自分を責めやすい。
- 活動の有無だけでなく、老いの受け止め方や生活への満足感を見る。
- 実際の支援では、類型で人を決めつけず、本人の個別性を重視する。