35Q18|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
生活困窮者自立支援法に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 1
正答
1.最低限度の生活が維持できなくなるおそれのある者が対象になる。
この問題のポイント
生活困窮者自立支援制度は、現在すでに経済的に困窮し、最低限度の生活を維持できなくなるおそれのある人に対して、生活保護に至る前の段階から包括的な支援を行う制度です。
就労、住居、家計、健康、家族関係、社会的孤立など、複数の課題を本人と一緒に整理し、自立に向けた支援計画を作成します。
解説
生活困窮者自立支援法における生活困窮者とは、就労の状況、心身の状態、地域社会との関係などの事情によって、現在経済的に困窮し、最低限度の生活を維持できなくなるおそれのある人をいいます。
この制度は、生活保護に至る前から早期に相談を受け、本人の尊厳を守りながら自立に向けて支援するものです。自立相談支援では、本人が抱えている課題を包括的に把握し、必要に応じて住居確保給付金、就労準備支援、家計改善支援、子どもの学習・生活支援などにつなぎます。
ただし、すべての支援が必須事業というわけではありません。子どもの学習・生活支援事業は、地域の実情に応じて実施する任意事業です。また、医療扶助や就労自立給付金は生活保護法に基づく制度であり、生活困窮者自立支援法に基づいて疾病のある人へ一律に医療費を支給する仕組みではありません。
ひっかけポイント
生活困窮者自立支援制度は、生活保護という「最後のセーフティーネット」そのものではありません。生活保護に至る前の段階を支える第2のセーフティーネットとして位置づけられます。
介護実践でのポイント
経済的な困りごとは、本人から言い出しにくい場合があります。公共料金の滞納、食事の不足、家賃の支払い、受診控えなどの変化に気づいたときは、責めたり生活態度を決めつけたりせず、本人の同意を得て自立相談支援機関などにつなぎます。
選択肢の確認
1.最低限度の生活が維持できなくなるおそれのある者が対象になる。
正しいです。
生活困窮者自立支援法は、現在経済的に困窮し、最低限度の生活を維持できなくなるおそれのある人を支援対象としています。生活保護に至る前から、早期かつ包括的に支援することが重要です。
2.自立を図るために、就労自立給付金が支給される。
誤りです。
就労自立給付金は、生活保護受給者が安定した職業に就くなどして保護を必要としなくなった場合に、生活保護法に基づいて支給されるものです。生活困窮者自立支援法による給付ではありません。
3.疾病がある者には、医療費が支給される。
誤りです。
生活困窮者自立支援法には、疾病があるという理由だけで医療費を支給する制度はありません。生活保護制度の医療扶助や健康保険制度など、状況に応じた制度につなぐ必要があります。
4.子どもへの学習支援は、必須事業とされている。
誤りです。
現在の「子どもの学習・生活支援事業」は、自治体が地域の実情に応じて行う任意事業です。自立相談支援事業などと混同しないようにします。
5.最終的な、「第3のセーフティーネット」と位置づけられている。
誤りです。
生活困窮者自立支援制度は、生活保護に至る前の第2のセーフティーネットに位置づけられます。最終的なセーフティーネットは生活保護制度です。
覚えるポイント
- 対象は、現在経済的に困窮し、最低限度の生活を維持できなくなるおそれのある人である。
- 生活保護に至る前から早期に支援する。
- 生活困窮者自立支援制度は、第2のセーフティーネットである。
- 最終的なセーフティーネットは生活保護制度である。
- 支援では、就労だけでなく、住居、家計、健康、家族関係、孤立などを包括的に捉える。
- 子どもの学習・生活支援事業は任意事業である。
- 医療扶助と就労自立給付金は、生活保護法に基づく制度である。