35Q104|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
利用者の障害特性に適した福祉用具の選択に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 2
正答
2.全盲の利用者には、音声ガイド付き電磁調理器の使用を勧める。
この問題のポイント
福祉用具は、障害名だけで決めるのではなく、利用者の心身機能、行いたい生活行為、使用環境、安全性、操作能力に合わせて選びます。
この問題では、各福祉用具が補う機能と、対象となる生活上の困難を正しく結びつけます。
解説
全盲の利用者は、表示やランプなどの視覚情報を確認できません。音声ガイド付き電磁調理器は、電源、加熱段階、タイマー、エラーなどを音声で確認できるため、調理操作を支える手段になります。電磁調理器は炎を使いませんが、鍋や天板が熱くなるため、音声案内があれば必ず安全というわけではありません。本人の調理経験、触覚による操作、認知機能、台所の配置を確認し、実際に試して選びます。
ストッキングエイドは、足先まで手が届きにくい人が靴下やストッキングを履く動作を補う用具です。言葉を理解したり伝えたりする言語機能障害を直接補うものではありません。
床置き式手すりは、立ち上がり、移乗、歩行などで身体を支えるための用具であり、聴覚情報を補うものではありません。聴覚障害には、補聴器、文字表示、振動・光による報知機器などを検討します。
交互型歩行器は、左右のフレームを交互に前へ出して使用するため、両上肢の操作、体幹のバランス、動作の理解と協調が必要です。右片麻痺という情報だけで一律に勧めることはできず、身体機能と環境を理学療法士などと評価します。
体圧分散クッションは、座位で臀部などに集中する圧を分散し、褥瘡予防や姿勢保持に用います。肘関節拘縮そのものを補う用具ではありません。
ひっかけポイント
福祉用具の名称だけを覚えるのではなく、「どの動作を、どの機能で補うか」を結びつけます。同じ障害名でも、生活環境や残存機能によって適切な用具は異なります。
選択肢の確認
1.言語機能障害の利用者には、ストッキングエイドの使用を勧める。
適切ではありません。
ストッキングエイドは、前屈しにくい、足先まで手が届かないなど、靴下やストッキングの着脱が難しい人を支える自助具です。言語機能障害への支援には、コミュニケーションボードや意思伝達装置などを検討します。
2.全盲の利用者には、音声ガイド付き電磁調理器の使用を勧める。
正答。最も適切です。
音声ガイドによって操作内容や設定を聴覚で確認でき、視覚情報を補うことができます。本人の能力と希望を確認し、配置や操作方法を練習したうえで安全に使用します。
3.聴覚障害の利用者には、床置き式手すりの使用を勧める。
適切ではありません。
床置き式手すりは、立ち上がりや移動時に身体を支える用具です。聴覚障害への支援には、文字、光、振動などで情報を伝える機器が適しています。
4.右片麻痺{みぎかたまひ}の利用者には、交互型歩行器の使用を勧める。
適切ではありません。
交互型歩行器は左右のフレームを交互に操作するため、両上肢の使用と体幹バランスが必要です。右片麻痺という情報だけで適合するとは判断できず、歩行能力や上肢機能を個別に評価します。
5.肘関節拘縮の利用者には、座位時に体圧分散クッションの使用を勧める。
適切ではありません。
体圧分散クッションは、座位で臀部などにかかる圧を分散し、褥瘡予防や姿勢保持に用います。肘関節拘縮に対しては、関節の状態や生活動作に応じたポジショニング、自助具などを検討します。
覚えるポイント
福祉用具の選定は、「障害特性、生活上の目的、残存機能、環境、安全性」の組合せで考えます。
音声ガイドは視覚情報を聴覚情報へ置き換え、全盲の人の家電操作を支えます。
福祉用具は実際に試し、本人の同意を得て、必要に応じてリハビリテーション専門職などと連携して選びます。