35Q103|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
介護老人福祉施設に入所している利用者の看取りにおける、介護福祉職による家族への支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 5
正答
5.家族が悔いが残ると言ったときは、話を聴く。
この問題のポイント
看取りでは、利用者だけでなく家族も支援の対象です。家族の悲しみ、迷い、後悔には個人差があり、介護福祉職が結論を急いだり、感情を否定したりせずに受け止めることが重要です。
この問題では、家族の参加、声かけ、死後の支援、悲嘆への対応を見分けます。
解説
大切な人を失った家族には、悲しみ、寂しさ、怒り、罪悪感、後悔など、さまざまな反応が生じます。これらは悲嘆、すなわちグリーフの一部であり、表れ方や経過は一人ひとり異なります。
家族が「悔いが残る」と話したときは、すぐに励ましたり、正しさを説明したりするのではなく、まず話を聴きます。「どのようなことが心に残っていますか」などと、家族が話せる範囲で気持ちを表現できるように支えます。介護福祉職は評価や否定をせず、家族が行ってきたことを労い、必要に応じて医療職や相談職、専門的なグリーフケアへつなぎます。
看取りの過程では、家族が希望し、利用者の安全と安楽が保てる範囲で、声かけ、手を握る、保湿、整容などのケアに参加できるようにします。反応が乏しくても聴覚が保たれている可能性があり、穏やかに声をかけることは本人と家族のつながりを支えます。
利用者の死後の連絡や支援は、施設の方針と家族の希望に沿って行います。毎日一律に電話するのではなく、家族の負担にならない方法と時期を相談します。悲嘆を早く終わらせるように促すことは適切ではありません。
介護実践でのポイント
家族が示す悲しみや後悔を「考えすぎ」「切り替えるべき」と評価せず、沈黙も含めて受け止めます。長期間にわたって生活に重大な支障が続く、自傷の危険があるなどの場合は、本人の同意を得ながら専門職につなぎます。
選択肢の確認
1.利用者の介護は、介護福祉職が最期まで行い、家族には控えてもらう。
適切ではありません。
家族が希望する場合は、安全と安楽に配慮しながら、できる範囲でケアや声かけに参加できるように支援します。介護福祉職だけが行うと一律に決めることは、家族の思いを尊重していません。
2.利用者の反応がないときには、声をかけることを控えるように伝える。
適切ではありません。
反応が乏しくても、聴覚が保たれている可能性があります。家族が穏やかに語りかけることは、本人への安心と家族の関係性を支えるため、控えさせる必要はありません。
3.利用者の死後は、毎日電話をして、家族の状況を確認する。
適切ではありません。
死後の支援は大切ですが、連絡の頻度や方法を一律に決めると家族の負担になることがあります。家族の希望、悲嘆の状態、施設の支援体制に応じて行います。
4.利用者の死後は、気分を切り替えるように家族を励ます。
適切ではありません。
悲嘆の経過には個人差があり、すぐに気持ちを切り替えるように促すと、家族の感情を否定することになります。まず気持ちを受け止め、語りを聴くことが重要です。
5.家族が悔いが残ると言ったときは、話を聴く。
正答。最も適切です。
後悔や悲しみを否定せずに傾聴することで、家族が自分の気持ちを整理できるように支えます。必要に応じて、ほかの専門職や相談機関につなぎます。
覚えるポイント
看取りにおける家族支援の基本は、参加の希望を尊重し、気持ちを否定せずに聴くことです。
悲嘆は異常な反応ではなく、大切な人を失ったときに生じる自然な反応です。
励ますことを急がず、家族のペースと希望に合わせて支援します。