78AM68第78回 診療放射線技師国家試験 過去問

理工学・放射線科学放射線計測の基礎放射線に関する量と単位

光子フルエンス当たりの相互作用係数を表しているのはどれか。

解答・解説を見る

正解: 4

正答

4.線減弱係数

問題のポイント

光子が物質中を進むと、光電効果、コンプトン散乱、電子対生成などの相互作用によって数が減少します。

このとき、単位長さあたりにどれだけ光子が相互作用して減弱するかを表す係数が、線減弱係数です。

線減弱係数は μ で表され、単位は通常 cm⁻¹ や m⁻¹ です。

なぜ線減弱係数が正しいか

光子フルエンスを Φ とすると、厚さ dx の物質中で相互作用する光子数は、おおまかに

dΦ = − μΦ dx

と表されます。

ここで μ が線減弱係数です。

つまり、線減弱係数 μ は、

  • 光子が物質中で相互作用する確率に関係する
  • 単位長さあたりの減弱のしやすさを表す
  • 光子フルエンスが物質中でどれだけ減るかを表す

係数です。

したがって、「光子フルエンス当たりの相互作用係数」を表すものとして最も適切なのは、4.線減弱係数です。

他の選択肢との区別

1.カーマ
誤りです。
カーマ〈kerma〉は、非荷電粒子が物質中で荷電粒子に与えた初期運動エネルギーを、単位質量あたりで表した量です。
単位はGyです。光子フルエンス当たりの相互作用係数そのものではありません。

2.照射線量
誤りです。
照射線量は、X線またはγ線が空気を電離して生じた電荷量を、空気の質量で割った量です。
単位はC/kgです。光子の相互作用確率を表す係数ではありません。

3.線阻止能
誤りです。
線阻止能は、荷電粒子が物質中を進むときに、単位長さあたりに失うエネルギーを表します。
電子線、陽子線、α線などの荷電粒子に関係する量であり、光子フルエンス当たりの相互作用係数ではありません。

4.線減弱係数
正しいです。
光子が物質中で単位長さあたりに相互作用して減弱する割合を表す係数です。

5.線エネルギー付与
誤りです。
線エネルギー付与〈LET〉は、荷電粒子が単位長さあたりに物質へ付与するエネルギーを表します。
高LET放射線、低LET放射線の分類で重要ですが、光子フルエンス当たりの相互作用係数ではありません。

覚えるポイント

光子と荷電粒子で、使う量を区別します。

光子に関係する量:

  • 線減弱係数
  • 質量減弱係数
  • 質量エネルギー転移係数
  • 質量エネルギー吸収係数

荷電粒子に関係する量:

  • 線阻止能
  • 質量阻止能
  • LET

本問では、光子フルエンス当たりの相互作用を表す係数なので、線減弱係数が正答です。

関連問題

78AM6778AM69
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)