77PM68|第77回 診療放射線技師国家試験 過去問
中性子線に対して定義されている量はどれか。 2 つ選べ。
解答・解説を見る
正解: 2・5
正答
2、5
この問題のポイント
この問題は 2つ選べ です。
中性子線は電荷をもたない非荷電放射線です。
非荷電放射線では、物質中で直接電離するのではなく、反跳陽子などの二次荷電粒子を生じさせてエネルギーを付与します。
このような放射線に対して重要な量が、カーマと質量エネルギー吸収係数です。
解説
中性子は電荷をもたないため、電子とのクーロン力によって連続的にエネルギーを失う荷電粒子とは異なります。
中性子が物質中に入ると、原子核との相互作用により反跳陽子や反跳核などの二次荷電粒子が発生します。これらの二次荷電粒子が周囲の物質を電離・励起し、線量に寄与します。
カーマは、非荷電粒子が物質中で二次荷電粒子に与えた初期運動エネルギーを質量で割った量です。X 線、γ 線だけでなく、中性子線にも関係する量です。
質量エネルギー吸収係数は、非荷電放射線が物質にエネルギーを吸収させる程度を質量あたりで表す係数として扱われます。中性子線のエネルギー吸収や線量評価を考えるうえで用いられます。
一方、照射線量は X 線・γ 線に対して空気中の電離をもとに定義される量です。LET や飛程は、主に荷電粒子に対して考える量です。
ひっかけポイント
中性子は非荷電粒子です。
飛程やLETは荷電粒子のイメージが強く、照射線量は X 線・γ 線の量として整理します。
選択肢の確認
1.誤り。
飛程は、荷電粒子が物質中で停止するまでの距離として扱われる量です。中性子は電荷をもたず、散乱や捕獲などで相互作用するため、荷電粒子のような飛程の定義とは異なります。
2.正しい。
カーマは、非荷電放射線が物質中で二次荷電粒子に与えた初期運動エネルギーを表す量です。中性子線に対して定義されます。
3.誤り。
照射線量は、X 線または γ 線によって空気中に生じる電離をもとにした量です。中性子線に対して定義される量ではありません。
4.誤り。
線エネルギー付与〈LET〉は、荷電粒子が単位長さあたりに物質へ与えるエネルギーを表す量です。中性子線そのものに対して定義する量ではありません。
5.正しい。
質量エネルギー吸収係数は、非荷電放射線のエネルギー吸収を評価する係数として扱われ、中性子線に対しても定義される量です。
覚えるポイント
- 中性子線は非荷電放射線です。
- 中性子は、原子核との相互作用で二次荷電粒子を生じます。
- カーマは非荷電放射線に対して重要な量です。
- 照射線量は X 線・γ 線に対する量です。
- LET と飛程は主に荷電粒子に対して考える量です。