76PM72|第76回 診療放射線技師国家試験 過去問
中性子の性質で正しいのはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、中性子の基本的性質が問われています。
中性子は電荷を持たない核子で、自由空間中では不安定です。
自由中性子は β-壊変し、陽子、電子、反電子ニュートリノになります。
この壊変が可能であるためには、中性子の静止質量が陽子と電子の静止質量の和より大きい必要があります。
解説
自由中性子は、原子核内に束縛されていない状態では不安定で、次のように β-壊変します。
n → p + e- + 反電子ニュートリノ
この反応では、中性子が陽子と電子に変わります。
壊変がエネルギー的に可能であるため、中性子の静止質量は、陽子と電子の静止質量の和よりわずかに大きくなっています。
したがって、
中性子の静止質量 > 陽子の静止質量 + 電子の静止質量
という関係が成り立ちます。
熱中性子については、室温付近の代表エネルギーは約 0.025 eV として覚えます。0.25 eV では 10 倍大きすぎます。
また、熱中性子の捕獲反応断面積は、しばしば 1/v 則に従います。これは中性子速度 v に反比例するという意味であり、運動エネルギーそのものに反比例するわけではありません。
速中性子の弾性散乱では、相手核の質量によって最大エネルギー損失が決まります。水素原子核のように質量がほぼ等しい場合は、最大で全エネルギーを失うことがありますが、重陽子では同じではありません。
ひっかけポイント
自由中性子は β+壊変ではなく β-壊変です。
また、熱中性子の室温エネルギーは 0.025 eV程度です。
選択肢の確認
1.誤り。
自由中性子は β+壊変ではなく β-壊変します。陽子、電子、反電子ニュートリノを放出する反応です。
2.正しい。
自由中性子は β-壊変して陽子と電子を生じます。このため、中性子の静止質量は陽子と電子の静止質量の和より大きいです。
3.誤り。
熱中性子の室温でのエネルギーは約 0.025 eV 程度です。0.25 eV は大きすぎます。
4.誤り。
熱中性子の捕獲反応断面積は、しばしば速度 v に反比例する 1/v 則に従います。運動エネルギーに反比例するという記述は不適切です。
5.誤り。
速中性子が弾性散乱で最大エネルギーをすべて失えるのは、散乱相手が中性子とほぼ同じ質量の水素原子核の場合です。重陽子は中性子より重いため、最大損失が散乱前の全運動エネルギーに等しいとはいえません。
覚えるポイント
- 中性子は電荷を持たない核子です。
- 自由中性子は β-壊変します。
- β-壊変では、陽子、電子、反電子ニュートリノが生じます。
- 熱中性子の室温エネルギーは約 0.025 eVです。
- 熱中性子捕獲断面積は 1/v 則で整理します。
- 中性子の減速には、水素のような軽い原子核との弾性散乱が有効です。