77AM91|第77回 診療放射線技師国家試験 過去問
頭部の血管造影写真を別に示す。 矢印で示すのはどれか。

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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、頭部血管造影写真で、矢印が示す血管を同定します。
正答は 2.内頸動脈 です。
提示画像では、頭蓋底部から頭蓋内へ入り、S 字状に屈曲しながら前方循環へ向かう太い血管が描出されています。
この形態は、内頸動脈のサイフォン部に一致します。
解説
頭部血管造影では、まずどの血管系が造影されているかを確認します。
提示画像では、右側の頭部血管造影で、頭蓋内に入る太い動脈から前方循環の枝が描出されています。
矢印は、頭蓋底付近で太く蛇行する血管を示しています。
この部位は、内頸動脈が頸部から頭蓋内へ入り、海綿静脈洞部から床上部へ向かう領域です。
内頸動脈は頭蓋内で特徴的な屈曲を示し、血管造影では carotid siphon〈頸動脈サイフォン〉 として描出されます。
この太い血管から、前大脳動脈や中大脳動脈などが分岐していきます。
したがって、矢印で示されている血管は 内頸動脈 です。
画像でまず見るポイント
矢印は末梢の細い枝ではなく、頭蓋底から頭蓋内へ入る太い主幹動脈を指しています。
S 字状に屈曲する太い血管であれば、まず内頸動脈のサイフォン部を考えます。
内頸動脈と周囲血管の見分け方
内頸動脈は、前方循環を担う主幹動脈です。
頭蓋内では、眼動脈、後交通動脈、前脈絡叢動脈などを分枝し、最終的に前大脳動脈と中大脳動脈へ分かれます。
血管造影では、次のように整理すると見分けやすくなります。
- 内頸動脈:頭蓋底付近で太く S 字状に屈曲する。
- 中大脳動脈:内頸動脈から分岐し、外側方向へ走る。
- 椎骨動脈:後頭蓋窩へ上行し、左右が合流して脳底動脈になる。
- 脳底動脈:正中を上行する後方循環の主幹動脈。
- 浅側頭動脈:頭皮側を走る外頸動脈系の枝。
ひっかけポイント
中大脳動脈は内頸動脈から分岐して外側へ走るため、同じ造影像で描出されます。
しかし、矢印が指しているのは外側へ広がる末梢枝ではなく、分岐前の太い本幹部です。
そのため、中大脳動脈ではなく、内頸動脈を選びます。
選択肢の確認
1.誤り。
椎骨動脈は後方循環を構成する血管です。
左右の椎骨動脈は頭蓋内で合流して脳底動脈となります。
提示画像の矢印は、後頭蓋窩を上行する椎骨動脈ではなく、頭蓋底部から前方循環へ向かう太い内頸動脈を示しています。
2.正しい。
矢印は、頭蓋底付近で S 字状に屈曲する太い血管を示しています。
これは内頸動脈、特にサイフォン部に相当します。
したがって、この選択肢が正答です。
3.誤り。
脳底動脈は、左右の椎骨動脈が合流して形成される後方循環の主幹動脈です。
通常は正中を上行する血管として描出されます。
矢印の血管は正中の脳底動脈ではなく、内頸動脈の走行に一致します。
4.誤り。
浅側頭動脈は外頸動脈系の枝で、頭皮側を走行します。
血管造影では頭蓋外の表在血管として描出されることがありますが、矢印で示されている頭蓋底部の太い主幹動脈ではありません。
5.誤り。
中大脳動脈は、内頸動脈から分岐して外側方向へ走る血管です。
提示画像でも末梢枝として描出されていますが、矢印は分岐後の中大脳動脈ではなく、分岐前の太い内頸動脈を指しています。
覚えるポイント
- 頭部血管造影では、まず 前方循環 か 後方循環 かを確認する。
- 内頸動脈 は頭蓋底付近で太く S 字状に屈曲する。
- 内頸動脈の特徴的な屈曲部は carotid siphon〈頸動脈サイフォン〉 と呼ばれる。
- 中大脳動脈 は内頸動脈から分岐して外側へ走る。
- 椎骨動脈・脳底動脈 は後方循環、浅側頭動脈 は外頸動脈系として区別する。
