76AM88第76回 診療放射線技師国家試験 過去問

エックス線撮影技術学X線画像解剖X線CT画像

腹部造影 CT の MIP 像を別に示す。 矢印で示すのはどれか。

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正解: 5

正答

5

この問題のポイント

この問題では、腹部造影 CT の MIP〈maximum intensity projection〉像で、腹部大動脈から分岐する主要血管を同定します。

矢印は、腹部大動脈の前方から分岐し、腸間膜内へ下行する太い動脈を示しています。

この走行は **上腸間膜動脈〈SMA〉**に一致します。

解説

MIP 像は、造影された血管のように高吸収を示す構造を強調して表示する再構成画像です。

この画像では、中央に腹部大動脈が太く描出され、その左右に腎臓と腎動脈が確認できます。矢印で示された血管は、腹部大動脈の前面から分岐し、腎動脈よりやや頭側〜同程度の高さから前下方へ走行しています。

腹部大動脈の主要分枝は、上から順に大まかに次のように整理できます。

  • 腹腔動脈
    大動脈前面から短く分岐し、左胃動脈、総肝動脈、脾動脈へ分かれる。

  • 上腸間膜動脈
    腹腔動脈の少し尾側で大動脈前面から分岐し、小腸、上行結腸、横行結腸近位部などへ向かう。

  • 腎動脈
    左右の腎臓へ横方向に走る。

  • 下腸間膜動脈
    より尾側で分岐し、下行結腸、S 状結腸、直腸上部へ向かう。

  • 総腸骨動脈
    腹部大動脈の末端で左右に分岐する。

提示画像の矢印は、左右の腎動脈そのものではなく、大動脈前面から出て腸間膜方向へ下行する血管を示しています。

したがって、矢印で示されているのは 上腸間膜動脈です。

画像でまず見るポイント
腹部血管 MIP 像では、まず太い腹部大動脈を見つけます。
次に、大動脈から前方へ出る枝か、左右へ出る枝か、下方で分岐する枝かを確認します。

ひっかけポイント
腎動脈は左右の腎臓へ横方向に走ります。
上腸間膜動脈は大動脈前面から出て、腸間膜内へ下方に走るため、走行で区別できます。

選択肢の確認

1.誤り。
腎動脈は腹部大動脈から左右の腎臓へ向かって横方向に走行します。画像でも腎臓へ向かう血管は確認できますが、矢印が示す血管は大動脈前面から下方へ走るため、腎動脈ではありません。

2.誤り。
脾動脈は腹腔動脈から分岐し、膵上縁に沿って左上腹部の脾臓へ向かう蛇行した血管です。矢印の血管は脾臓へ向かう左方走行ではなく、腸間膜方向へ下行しています。

3.誤り。
腹腔動脈は腹部大動脈前面から短く分岐し、総肝動脈、脾動脈、左胃動脈へ分かれます。矢印の血管は腹腔動脈より尾側で、長く腸間膜方向へ走るため、上腸間膜動脈が適切です。

4.誤り。
総腸骨動脈は腹部大動脈の下端で左右に分岐する血管です。画像の矢印は腎臓の高さ付近の腹部大動脈前面分枝を示しており、総腸骨動脈の位置ではありません。

5.正しい。
上腸間膜動脈は腹部大動脈前面から分岐し、腸間膜内を下行します。矢印の位置と走行は上腸間膜動脈に一致します。

覚えるポイント

  • MIP 像では造影された血管が強調されます。
  • 腹腔動脈は大動脈前面から短く分岐し、肝・脾・胃へ向かいます。
  • 上腸間膜動脈は大動脈前面から分岐し、腸間膜内へ下行します。
  • 腎動脈は左右の腎臓へ横方向に走ります。
  • 総腸骨動脈は大動脈下端で左右に分岐します。
  • 矢印のように、大動脈前面から出て下方へ走る血管は 上腸間膜動脈です。
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