76AM10|第76回 診療放射線技師国家試験 過去問
X 線エネルギー 40 keV のときに比べ 70 keV のとき CT 値が増加するのは どれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、X 線エネルギーによる CT 値の変化が問われています。
CT 値は、物質の線減弱係数を水と比較した値です。
CT 値の基本式は次の通りです。
CT値 = 1000 × (μ物質 − μ水)÷ μ水
ここで、μ は線減弱係数です。
解説
CT 値は、物質の線減弱係数が水に比べてどれくらい大きいか、または小さいかを表します。
水は基準物質なので、CT 値は原則として 0 HU です。
脂肪は水よりも線減弱係数が小さいため、通常は負の CT 値を示します。一般的には約 −100 HU 前後です。
X 線エネルギーが 40 keV から 70 keV に上がると、物質ごとの線減弱係数の変化の仕方が異なります。脂肪では、水との相対的な差が変化し、CT 値がより高い方向、つまり負の値が小さくなる方向へ変化します。
そのため、40 keV のときに比べて 70 keV で CT 値が増加する代表は 脂肪です。
ひっかけポイント
「増加する」とは、必ずしも正の値になるという意味ではありません。
脂肪の CT 値は負の値ですが、例えば −120 HU から −90 HU のように変化すれば、CT 値は増加したことになります。
選択肢の確認
1.誤り。
水は CT 値の基準であり、通常は 0 HU として扱います。エネルギーが変化しても、基準としての CT 値が増加するとは考えません。
2.誤り。
筋肉は水に近い軟部組織であり、40 keV から 70 keV への変化で脂肪のように CT 値が増加する代表ではありません。
3.正しい。
脂肪は水より低吸収で負の CT 値を示します。X 線エネルギーが高くなると、水との相対的な減弱差の変化により、CT 値は増加する方向に変化します。
4.誤り。
脳白質は水に近い軟部組織であり、脂肪ほど特徴的に CT 値が増加する対象ではありません。
5.誤り。
脳灰白質も水に近い軟部組織であり、40 keV と 70 keV の比較で CT 値が増加する代表としては脂肪が適切です。
覚えるポイント
- CT 値は 水を 0 HU とする相対値です。
- 脂肪は通常、負の CT 値を示します。
- CT 値の「増加」は、負の値が 0 に近づく場合も含みます。
- エネルギー依存性では、物質の組成と線減弱係数の変化を考えます。
- 40 keV と 70 keV の比較で CT 値が増加する代表は 脂肪です。