76PM90|第76回 診療放射線技師国家試験 過去問
頭部単純CT 像を別に示す。 確認できるのはどれか。

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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
この問題では、頭部単純 CT 像でみられる アーチファクトの種類を判断します。
画像は頭蓋底レベルの横断像です。
左右の側頭骨錐体部など、非常に高吸収の骨構造に挟まれた領域に、帯状の低吸収域がみられます。
これは ダークバンドアーチファクトです。
解説
CT では、X 線が骨などの高吸収体を通過すると、低エネルギー成分が強く吸収され、X 線ビームの平均エネルギーが高くなります。
この現象を ビームハードニングといいます。
頭部 CT では、頭蓋底に側頭骨錐体部などの厚く硬い骨が存在します。
そのため、左右の高吸収骨構造の間を通る X 線ではビームハードニングが起こりやすくなります。
その結果、骨と骨の間、特に後頭蓋窩や脳幹周囲に、実際よりも低吸収に見える帯状の暗い領域が生じます。
これが ダークバンドアーチファクトです。
提示画像では、頭蓋底の左右に高吸収の骨構造があり、その間の脳幹・後頭蓋窩付近に暗い帯状の低吸収域が確認できます。
したがって、確認できるアーチファクトは ダークバンドアーチファクトです。
画像でまず見るポイント
頭蓋底レベルでは、左右の側頭骨錐体部が非常に高吸収に描出されます。
その間に暗い帯状の低吸収域が出ていれば、ビームハードニングによるダークバンドアーチファクトを考えます。
ひっかけポイント
金属がないのに「メタルアーチファクト」を選ばないようにします。
また、リング状の同心円もないため、リングアーチファクトではありません。
この画像では、骨に挟まれた部位の暗い帯状低吸収がポイントです。
選択肢の確認
1.誤り。
メタルアーチファクトは、歯科金属、クリップ、コイル、人工物などの金属により、強い線状アーチファクトや欠損状の画像劣化を生じるものです。この画像では金属による強い放射状アーチファクトは目立ちません。
2.誤り。
リングアーチファクトは、CT 検出器の感度不良などにより、画像上に円形または同心円状の線として現れるアーチファクトです。この画像では円形のリング状アーチファクトは確認できません。
3.誤り。
ストリークアーチファクトは、金属や高吸収体、フォトン不足などにより線状の明暗が走るアーチファクトです。この画像でも頭蓋底では線状成分が多少みられますが、主に確認すべき所見は骨に挟まれた暗い帯状低吸収であり、ダークバンドアーチファクトが適切です。
4.正しい。
左右の高吸収骨構造に挟まれた頭蓋底・後頭蓋窩付近に、帯状の低吸収域がみられます。これはビームハードニングに伴うダークバンドアーチファクトです。
5.誤り。
ステアステップアーチファクトは、ヘリカル CT の再構成画像や三次元表示、MPR 画像などで階段状に見えるアーチファクトです。提示画像の横断像で確認される暗い帯状低吸収とは異なります。
覚えるポイント
- ダークバンドアーチファクトは、骨などの高吸収体に挟まれた部位に暗い帯状低吸収として現れます。
- 主な原因は ビームハードニングです。
- 頭部 CT では、頭蓋底や後頭蓋窩で目立ちやすいです。
- メタルアーチファクトは金属による強い線状・放射状アーチファクトです。
- リングアーチファクトは検出器異常などによる円形のアーチファクトです。
- ステアステップアーチファクトは再構成画像で階段状に見えるアーチファクトです。
