77AM5第77回 診療放射線技師国家試験 過去問

診療画像検査学診療画像検査MRI検査

乳房の MR 像を別に示す。 この画像で正しいのはどれか。

77AM5の問題画像
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正解: 3

正答

3

この問題のポイント

この問題では、乳房 MR 像を見て、脂肪抑制の有無腫瘤の信号強度血管内腔の信号を判断します。

画像では、乳房内や皮下の脂肪成分が全体に低信号となっています。

通常、乳房は脂肪を多く含むため、脂肪抑制を行わない画像では脂肪が高信号に見えやすくなります。

しかし、この画像では脂肪信号が抑えられて暗くなっているため、脂肪抑制法が併用されていると判断できます。

解説

提示画像は乳房の横断像です。

左右に乳房が描出され、画像左側に R、画像右側に L の表示があります。

したがって、画像左側が患者の右側、画像右側が患者の左側です。

画像でまず注目するのは、乳房内の脂肪の信号です。

乳房には脂肪組織が多く含まれます。

脂肪抑制を行わない T1 強調像では、脂肪は一般に高信号として明るく描出されます。

一方、この画像では、乳房の脂肪成分が全体に暗く抑えられています。

そのため、脂肪抑制法が併用されている画像と考えます。

また、右乳房には高信号の腫瘤がみられます。

この腫瘤は骨格筋よりも明らかに高信号であり、「骨格筋と比較し低信号」という記載は合いません。

さらに、胸部中央付近の大動脈内腔は高信号ではなく、血流による低信号としてみえます。

そのため、「大動脈の内腔は高信号」という記載も適切ではありません。

画像でまず見るポイント
乳房 MRI では、病変そのものだけでなく、背景の脂肪が高信号か低信号かを確認します。
脂肪が全体に暗く抑えられていれば、脂肪抑制が併用されている可能性が高くなります。

国家試験ではここを押さえる

  • 脂肪抑制あり:脂肪が暗くなる。
  • 脂肪抑制なしの T1 強調像:脂肪が高信号になりやすい。
  • 乳房 MRI では、病変の信号だけでなく、背景脂肪の信号を確認する。
  • R / L 表示を確認して、画像上の左右と患者左右を取り違えない。

選択肢の確認

1.誤り。
単純な T1 強調像では、乳房内の脂肪は高信号として明るく描出されやすくなります。

この画像では脂肪成分が全体に低信号に抑えられているため、T1 強調像そのものと判断するより、脂肪抑制の有無に注目する画像です。

2.誤り。
位相方向は、折り返しアーチファクトやゴーストアーチファクトの出現方向などから判断することがあります。

この画像で最も明確に判断できる所見は、脂肪信号が抑制されていることです。

「位相方向は前後方向である」という記載は、この画像から正答として選ぶ所見ではありません。

3.正しい。
画像では、乳房内や皮下の脂肪信号が全体に暗く抑えられています。

これは脂肪抑制法が併用されていることを示す所見です。

したがって、この選択肢が正答です。

4.誤り。
画像左側、すなわち患者の右乳房に腫瘤がみられます。

この腫瘤は周囲の骨格筋と比較して低信号ではなく、むしろ高信号として描出されています。

したがって、「右乳房腫瘤は骨格筋と比較し低信号である」は誤りです。

5.誤り。
大動脈の内腔は高信号としては描出されていません。

血流による信号低下、いわゆる flow void のように低信号としてみえるため、「大動脈の内腔は高信号として描出されている」は誤りです。

覚えるポイント

  • 乳房 MRI では、まず背景脂肪の信号を見る。
  • 脂肪が暗く抑えられていれば、脂肪抑制法の併用を考える。
  • 右乳房は、画像の R 表示側で確認する。
  • 腫瘤の信号強度は、骨格筋などの基準組織と比較して判断する。
  • 血管内腔は撮像条件によって高信号にも低信号にもなり得るが、この画像では大動脈内腔は高信号ではない。
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