76PM21|第76回 診療放射線技師国家試験 過去問
肩関節のMR 像を別に示す。 矢印で示す構造はどれか。

解答・解説を見る
正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、肩関節 MR 像で 腱板を構成する筋・腱を同定します。
画像では、矢印が肩峰下から上腕骨頭の上方へ走る帯状構造を示しています。
この部位を走行する代表的な腱板構成筋は 棘上筋です。
解説
肩関節の MR 像では、まず次の構造を確認します。
- 上腕骨頭
- 肩峰
- 鎖骨遠位端
- 肩甲骨関節窩
- 腱板
- 三角筋
- 肩峰下滑液包
提示画像では、上腕骨頭の上方に、肩峰の下を通って外側へ走る筋・腱構造が描出されています。
この構造は、肩甲骨の棘上窩から起こり、肩峰下を通って上腕骨大結節に停止する 棘上筋です。
棘上筋は腱板〈rotator cuff〉を構成する重要な筋の 1 つで、肩関節の外転初期や上腕骨頭の安定化に関与します。
腱板を構成する筋は次の 4 つです。
- 棘上筋
- 棘下筋
- 小円筋
- 肩甲下筋
このうち、肩関節冠状断または斜冠状断で、上腕骨頭の上方を横走するように見える代表は 棘上筋です。
画像でまず見るポイント
上腕骨頭のすぐ上を、肩峰下から外側へ走る薄い帯状構造を探します。
この走行が見えたら、棘上筋腱を考えます。
ひっかけポイント
鎖骨や肩甲骨は骨構造です。
矢印が示すのは骨ではなく、上腕骨頭上方を走る軟部組織の筋・腱構造です。
選択肢の確認
1.誤り。
鎖骨は肩関節の上方に位置する骨性構造です。画像上では高信号の骨髄と低信号の皮質を伴う骨として描出されます。矢印が示す帯状の筋・腱構造ではありません。
2.正しい。
棘上筋は肩甲骨棘上窩から起こり、肩峰下を通って上腕骨大結節に停止します。画像で矢印が示す、上腕骨頭上方を走る構造に一致します。
3.誤り。
肩甲骨は肩関節の後方から関節窩を形成する骨です。矢印の部位は肩甲骨そのものではなく、肩峰下を走る棘上筋腱の位置です。
4.誤り。
小円筋は腱板の一部ですが、肩甲骨外側縁から上腕骨大結節後面へ向かう筋です。主に肩関節の後下方で確認され、矢印のように上腕骨頭上方を走る構造ではありません。
5.誤り。
肩甲下筋は肩甲骨前面から上腕骨小結節へ向かう筋で、肩関節の前方に位置します。矢印が示す上腕骨頭上方の構造とは走行が異なります。
覚えるポイント
- 腱板は 棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋で構成されます。
- 棘上筋は肩峰下を通り、上腕骨頭の上方を走ります。
- 棘上筋は上腕骨大結節に停止します。
- 肩関節 MR 像で上腕骨頭上方の帯状構造を見たら棘上筋を考えます。
- 肩甲下筋は前方、小円筋は後下方、棘上筋は上方で区別します。
