76PM20|第76回 診療放射線技師国家試験 過去問
肝臓の超音波像を別に示す。 矢印で示すアーチファクトはどれか。

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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、肝臓超音波像でみられる 鏡面反射アーチファクトを同定します。
画像では、肝臓の深部に強い高エコーの曲線状構造があり、これは 横隔膜に相当します。
矢印は、横隔膜のさらに深部側に、実際には存在しない肝実質様のエコーが見えている部分を示しています。
これは、横隔膜を強い反射面として生じる 鏡面反射です。
解説
超音波画像では、装置は基本的に「超音波がまっすぐ進み、まっすぐ戻ってくる」と仮定して画像を作ります。
しかし、横隔膜のように表面が滑らかで強い反射を起こす構造では、超音波が鏡のように反射します。
このような強い反射面を 鏡面反射面といいます。
肝臓の超音波検査では、横隔膜が代表的な鏡面反射面です。
鏡面反射が起こると、肝臓内の構造からのエコーが横隔膜で反射して戻り、装置はそのエコーを「横隔膜の奥から戻ってきたエコー」と誤認します。
その結果、横隔膜の深部側、つまり本来は肺側にあたる位置に、肝臓の一部が複製されたように表示されます。
これが 鏡面反射アーチファクトです。
画像でまず見るポイント
肝臓深部の明るい曲線状エコーは横隔膜です。
矢印の部位では、その横隔膜を境にして、深部側に肝実質様の偽像が見えます。
横隔膜を鏡として像が写り込むため、鏡面反射と判断します。
ひっかけポイント
音響陰影は、結石や骨などの後方が暗く抜けるアーチファクトです。
この画像では暗い影ではなく、横隔膜の向こう側に肝臓様の像が出ているため、鏡面反射を選びます。
選択肢の確認
1.誤り。
音響陰影は、結石、石灰化、骨、ガスなどで超音波が強く減衰・反射され、その後方が低エコーまたは無エコーに抜けるアーチファクトです。矢印部は後方が暗く抜ける像ではなく、横隔膜の深部側に偽像が見えているため、音響陰影ではありません。
2.正しい。
横隔膜のような滑らかで強い反射面により、肝臓内の構造が反対側に写り込んだように表示されています。これは鏡面反射アーチファクトです。
3.誤り。
多重反射は、強い反射体の間で超音波が何度も往復し、等間隔の反復エコーとして描出されるアーチファクトです。コメット様エコーやリバーブレーションとしてみられることがありますが、この画像の所見とは異なります。
4.誤り。
レンズ効果は、音速の異なる組織を通過することで超音波ビームが屈折し、構造の位置ずれや歪みを生じる現象です。横隔膜深部に肝実質様の偽像が出る本画像の所見とは一致しません。
5.誤り。
グレーティングローブは、アレイプローブで主ビーム以外の方向に生じる副ビームによるアーチファクトです。実在しない位置にエコーが表示されることはありますが、横隔膜を反射面とする典型的な鏡面像ではありません。
覚えるポイント
- 鏡面反射は、横隔膜のような滑らかな強反射面で起こります。
- 肝臓超音波では、横隔膜の深部側に肝実質様の偽像が出ることがあります。
- 音響陰影は、強い反射・吸収体の後方が暗くなるアーチファクトです。
- 多重反射は、等間隔に繰り返すエコーとして出やすいです。
- 肝臓と横隔膜が出る画像で、横隔膜の奥に偽像が見えたら 鏡面反射を考えます。
