76PM5|第76回 診療放射線技師国家試験 過去問
始業点検時において自動露出制御機構を用いたX 線撮影でmAs 値が通常よりも大きい値となった。 考えられる原因はどれか。 ただし、他の条件は同一とする。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、**自動露出制御機構〈AEC〉**を用いた X 線撮影で、mAs 値が通常より大きくなる原因を考えます。
AEC は、受像部または検出部に到達する線量が設定値に達すると X 線照射を停止します。
照射野を狭くすると散乱線が減り、AEC 検出部に入る線量が少なくなるため、設定線量に達するまで照射が長くなり、mAs 値が大きくなることがあります。
解説
AEC は、撮影ごとに適切な画像濃度や検出器到達線量を得るための機構です。
撮影中、AEC 検出部は到達した X 線量を測定します。一定量に達すると照射を停止します。
したがって、AEC 使用時の mAs 値は、検出部に X 線がどれだけ届きやすいかで変化します。
照射野を狭くすると、被写体内で発生する散乱線が減少します。
散乱線は画質低下の原因ですが、AEC 検出部に入る線量にも寄与します。そのため、散乱線が減ると検出部の線量上昇が遅くなり、AEC は照射時間を長くします。
結果として、mAs 値が通常より大きくなることがあります。
一方、管電圧を高くしたり、焦点検出器間距離を短くしたり、薄いファントムを用いたりすると、検出部へ届く X 線量は増えやすくなり、mAs 値は小さくなる方向に働きます。
ひっかけポイント
照射野を狭くすると散乱線は減って画質には有利ですが、AEC では検出部に入る散乱線も減るため、mAs が増えることがあります。
選択肢の確認
1.誤り。
管電圧を高くすると X 線の透過力が増し、AEC 検出部に到達する線量が増えやすくなります。そのため、通常は mAs 値は小さくなる方向に働きます。
2.正しい。
照射野を狭くすると散乱線が減少し、AEC 検出部に入る線量が少なくなります。設定線量に達するまで照射が続くため、mAs 値が大きくなる原因になります。
3.誤り。
焦点検出器間距離を短くすると、距離の逆二乗則により検出器到達線量は増えます。AEC では照射時間が短くなり、mAs 値は小さくなる方向に働きます。
4.誤り。
バックアップ時間は、AEC が正常に停止しない場合の安全上限です。通常の AEC 動作で mAs 値が大きくなる直接原因としては不適切です。
5.誤り。
厚さの薄いファントムでは X 線透過量が増えるため、AEC 検出部は早く設定線量に達します。mAs 値は小さくなる方向に働きます。
覚えるポイント
- AEC は検出部に一定線量が到達すると照射を停止します。
- mAs 値は、AEC 検出部に届く線量で変化します。
- 照射野を狭くすると散乱線が減り、AEC で mAs が増えることがあります。
- 管電圧を高くすると透過線量が増え、mAs は小さくなりやすいです。
- 薄いファントムや短い焦点検出器間距離でも、mAs は小さくなりやすいです。