119E46|第119回 医師国家試験 過去問
外科系消化器外科急性腹症・腹部救急
外来受診後、自宅で安静にしていたが、夕方になり腹痛が増悪したため再受診した。腹痛の部位が移動し、右下腹部に圧痛を認めた。 この患者に認める可能性の高い所見はどれか。
解答・解説を見る
正解: e
正解
e 反跳痛
解説
最初は腹部正中の痛みで始まり、その後に右下腹部へ痛みが移動し、圧痛が明らかになっています。
この経過は 急性虫垂炎 に典型的で、炎症が壁側腹膜に及ぶと 腹膜刺激症状 が出現します。
その代表が 反跳痛 です。
なぜ反跳痛が出るのか
急性虫垂炎では、
- 初期は内臓痛として、心窩部や臍周囲のはっきりしない痛みが出る。
- 炎症が進むと、右下腹部に限局してくる。
- さらに腹膜刺激が加わると、反跳痛や筋性防御がみられる。
この症例はまさにこの流れに合っています。
反跳痛とは
腹部を押さえて離したときに痛みが増強する所見で、腹膜刺激徴候 のひとつです。
急性虫垂炎で頻出の身体所見です。
各選択肢の検討
- a 黄疸
胆道系疾患や肝疾患でみられる所見で、虫垂炎の典型ではありません。 - b 下血
消化管出血を示す所見であり、虫垂炎では通常みられません。 - c 波動
腹水貯留を示唆する所見で、今回の急性腹症とは合いません。 - d 金属音
腸閉塞で目立つ腸雑音です。虫垂炎の典型所見ではありません。 - e 反跳痛
正解です。右下腹部に限局した虫垂炎で認めやすい腹膜刺激徴候です。
国試のポイント
痛みが移動して右下腹部に限局する という経過は、急性虫垂炎の重要なキーワードです。
ここに 反跳痛 が加われば、腹膜刺激を伴う虫垂炎を強く考えます。