118C62|第118回 医師国家試験 過去問
総合診療・救急・ケア緩和ケア・在宅医療終末期ケア・ACP
その後、薬剤性肺障害が改善し人工呼吸器から離脱、一般病棟へ転棟となった。リハビリテーションを開始して身体機能と食事摂取量は回復し、入院してから 2 か月後に自宅退院となった。退院して 1 か月後に家族に付き添われて外来受診した。かろうじて自力歩行しており体重は 3 か月前から 10 kg 減少していた。全身精査を行ったところ、縦隔リンパ節は以前よりさらに腫大し新たに肝臓と肺に多発転移を認めた。患者本人と家族は積極的な治療を望んでいない。疼痛を認めないが、癌悪液質が進行していると診断された。 この時点で行うべき対応はどれか。**2 つ選べ。**
2つ選択
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正解: b・c
正解
- b 緩和ケアについて説明する。
- c 在宅ケアに関する患者の意向を聞く。
解説
この時点では、縦隔リンパ節再発に加えて肝臓と肺への多発転移を認め、さらに体重10kg減少を伴う癌悪液質が進行している。
しかも、本人と家族は積極的治療を望んでいない。
したがって、治療の中心は抗腫瘍治療ではなく、緩和ケアと療養場所の調整になる。
この時点での基本方針
- 苦痛の予防と緩和を重視する。
- 残された時間をどこで、どのように過ごしたいかを確認する。
- 在宅療養、訪問診療、訪問看護などを含めた支援体制を考える。
各選択肢の検討
a 放射線療法を勧める。
放射線療法は疼痛や出血、局所圧迫症状などの緩和目的で用いることがあるが、設問ではそのような局所症状は示されていない。現時点で優先すべき対応ではない。b 緩和ケアについて説明する。
正しい。進行癌で積極的治療を望まない場合、緩和ケアの導入は重要である。c 在宅ケアに関する患者の意向を聞く。
正しい。患者の希望に沿った療養場所と支援体制を整えるために必須である。d 異なる種類の殺細胞性薬による治療を勧める。
本人が積極的治療を望んでおらず、全身状態も低下しているため適切でない。e 免疫チェックポイント阻害薬による治療を勧める。
同様に、現時点では患者の希望と病状に合わない。
覚えるポイント
- 進行癌で患者が積極的治療を望まないときは、緩和ケアと療養の場の調整が中心になる。
- 緩和ケアは、疼痛があるときだけでなく、今後の苦痛に備える意味でも重要である。