116E29|第116回 医師国家試験 過去問
内科系消化器内科胆道疾患
50歳の女性。腹痛と嘔吐を主訴に来院した。前夜焼肉を食べ5時間後に腹痛出現、2度嘔吐。体温37.8℃、脈拍96/分、血圧164/92mmHg。右上腹部を圧迫し深吸気させると痛みで呼吸が止まる。血液検査で白血球14,500、γ-GT 128U/L(基準8~50)、その他軽度以上の異常はなし。腹部造影CTも参考。 診断はどれか。

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正解: b
正解
- b 急性胆嚢炎
解説
この症例では、
- 脂っこい食事の後に発症した右上腹部痛
- 嘔吐
- 発熱
- 白血球増多
- Murphy徴候陽性
(右上腹部を圧迫しながら深吸気させると痛みで吸気が止まる)
という所見がそろっており、最も考えるべき診断は急性胆嚢炎です。
胆石などによる胆嚢管閉塞を契機として胆嚢に炎症が起こるのが典型です。
各選択肢の検討
a 急性胆管炎
誤りです。胆管炎ではCharcot三徴である、- 発熱
- 黄疸
- 右上腹部痛
が重要です。本症例では黄疸を示す情報がなく、急性胆嚢炎のほうが合います。
b 急性胆嚢炎
正しい選択肢です。Murphy徴候が大きな根拠です。c 胆嚢腺筋症
慢性的な胆嚢壁変化であり、急性炎症像を主とする今回の病像とは合いません。d 胆嚢捻転症
比較的まれで、高齢やるいそう体型の女性に多く、突然の激しい腹痛で発症します。今回の経過とは典型性が低いです。e 慢性胆嚢炎
反復する胆石発作の背景としてみられますが、今回のような発熱、白血球増多、Murphy徴候を伴う急性発症には合いません。
ひっかけポイント
この問題では、右上腹部痛+発熱から胆管炎を選びたくなります。
しかし、胆管炎では黄疸や胆道閉塞所見がより重要です。
一方で、Murphy徴候陽性は急性胆嚢炎を強く示唆します。
覚えるポイント
- Murphy徴候=急性胆嚢炎
- Charcot三徴=急性胆管炎
- 脂っこい食事後の右上腹部痛では、まず胆石関連疾患を考えます。