119D061第119回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯周病学

51 歳の女性。上顎右側臼歯部のブラッシング時の出血を主訴として来院した。 10 か月前から自覚していたがそのままにしていたという。検査の結果、慢性歯周 炎と診断し、歯周基本治療後に歯周外科治療を行うこととした。再評価時の口腔内 写真(別冊No. 16A、B)とエックス線画像(別冊No. 16C)を別に示す。再評価時の 歯周組織検査の一部を表に示す。 頰 側* 4 4 6 7 4 6 4 4 4 歯 種 7 6 5 口蓋側* 5 4 ⑥ 7 4 ⑦ ⑤ 4 4 動揺度** 0 1 0 * :プロービング深さ(mm) 〇印:プロービング時の出血 ** :Miller の判定基準 7 6 に対する適切な治療法はどれか。2 つ選べ。

119D061の問題画像
2つ選択
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正解: c・e

正答

c、e

この問題のポイント

歯周基本治療後も深い歯周ポケットと骨内欠損が残る部位では、歯肉剝離搔爬術で明視下に感染源を除去し、適応があればエナメルマトリックスタンパク質を用いた歯周組織再生療法を行います。

解説

再評価では、プロービング深さ、BOP、動揺度、骨欠損形態、プラークコントロールを確認します。本症例の7・6には深いポケットが残り、歯周外科治療が計画されています。

歯肉剝離搔爬術では歯肉弁を剝離し、肉芽組織の除去と根面のデブライドメントを明視下で行います。垂直性骨欠損など再生療法の適応となる欠損形態であれば、エナメルマトリックスタンパク質を応用し、新生セメント質・歯根膜・歯槽骨を含む歯周組織再生を目指します。

治療選択のポイント
再生療法は、欠損形態、清掃状態、喫煙、全身状態、術後管理への協力度を総合して適応を決めます。

画像の確認

実画像A・Bでは上顎右側第一・第二大臼歯部に発赤と深い歯周ポケットが残り、Cでは同部に垂直性骨欠損を認める。直視下で病変を除去する歯肉剝離搔爬術を行い、骨内欠損にはエナメルマトリックスタンパク質を応用して再生を図る。

選択肢の確認

a.新付着術
誤り。
新付着術は限局した歯周ポケットに対する処置ですが、深い骨内欠損を明視下で処置し再生を図る本症例の中心的術式ではありません。

b.歯肉切除術
誤り。
歯肉切除術は骨縁上ポケットなどに適応がありますが、骨内欠損を伴う部位では骨面へのアクセスや再生療法に適しません。

c.歯肉剝離搔爬術
正しい。
歯肉弁を剝離して肉芽組織・根面を明視下に処置できる歯肉剝離搔爬術が適切です。

d.歯肉弁歯冠側移動術
誤り。
歯肉弁歯冠側移動術は主に歯肉退縮の根面被覆などに用い、深い歯周ポケットと骨内欠損の治療目的とは異なります。

e.エナメルマトリックスタンパク質の応用
正しい。
骨内欠損の条件が適切であれば、エナメルマトリックスタンパク質を応用して歯周組織再生を図ります。

覚えるポイント

  • 再評価後に残る深いポケットではフラップ手術を検討します。
  • 骨内欠損では再生療法の適応を評価します。
  • 再生療法には良好なプラークコントロールが不可欠です。

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