119A079|第119回 歯科医師国家試験 過去問
54 歳の女性。下顎左側第一大臼歯部の違和感を主訴として来院した。6 か月前 から自覚していたがそのままにしていたという。検査の結果、慢性歯周炎と診断 し、歯周基本治療後に組織再生誘導法を6 の根分岐部に対して行うこととした。歯 周基本治療終了後の口腔内写真(別冊No. 28A)、エックス線画像(別冊No. 28B)と 術中の口腔内写真(別冊No. 28C)を別に示す。歯周組織検査結果の一部を表に示す。 舌 側* ④ 3 ⑤ ⑤ ④ ⑤ ④ 3 ④ 歯 種 5 6 7 頰 側* ④ 3 ⑤ ⑥ ⑤ ⑤ ⑤ ④ ④ 根分岐部病変** - 1 度 - 動揺度*** 0 0 0 * :プロービング深さ(mm) 〇印:プロービング時の出血 ** :Lindhe とNyman の分類(-は根分岐部病変がないことを示す) *** :Miller の判定基準 術中の口腔内写真以降の治療過程で4 番目に行うのはどれか。1 つ選べ。

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正解: c
正答
c
この問題のポイント
組織再生誘導法〈GTR法〉では、根分岐部のデブリードマンと根面処理を終えた後にGTR膜を設置し、最後に歯肉弁を復位・縫合します。
解説
GTR法は、上皮や歯肉結合組織が根面へ早く侵入するのを膜で防ぎ、歯根膜由来細胞と骨由来細胞が欠損部へ増殖できる空間を確保する再生療法です。
術野を展開した後は、肉芽組織を除去し、スケーリング・ルートプレーニングで根面を清掃します。必要に応じて根分岐部の形態を整えるファーケーションプラスティを行い、その後にGTR膜を欠損部へ設置します。膜と血餅を安定させるよう歯肉弁を復位して縫合します。したがって、示された写真以降の過程で4番目はGTR膜の設置です。
画像の確認
実画像A・Bでは下顎左側第一大臼歯に全部金属冠が装着され、根分岐部に限局した骨吸収がある。Cでは歯肉弁を剝離して根分岐部と根面を直視できる状態になっている。肉芽除去、スケーリング・ルートプレーニング、ファーケーションプラスティ、GTR膜設置、縫合の順となるため、4番目はGTR膜の設置である。
選択肢の確認
a.縫 合
誤り。
縫合はGTR膜を設置し、歯肉弁を適切な位置へ復位した後に行う最終段階です。4番目より後です。
b.肉芽除去
誤り。
肉芽除去は欠損形態を明示し感染組織を除くため、術野展開後の早い段階で行います。
c.GTR 膜の設置
正しい。
肉芽除去、根面のスケーリング・ルートプレーニング、必要な形態修正を終えた後、4番目にGTR膜を設置します。
d.ファーケーションプラスティ
誤り。
ファーケーションプラスティは根分岐部の歯根形態を清掃しやすく整える処置で、膜設置より前に必要に応じて行います。
e.スケーリング・ルートプレーニング
誤り。
スケーリング・ルートプレーニングは根面の歯石、細菌性沈着物、汚染セメント質を除く基本操作で、膜設置より前に行います。
覚えるポイント
- GTR法は細胞選択性を利用する歯周組織再生療法です。
- 基本順序は肉芽除去 → 根面処理 → 必要な形態修正 → 膜設置 → 縫合です。
- 膜下に血餅と再生空間を安定して維持することが重要です。