119B043|第119回 歯科医師国家試験 過去問
48 歳の女性。右側顎関節部の腫脹と開口困難を主訴として来院した。3 年前か ら同部の疼痛と開口困難を自覚し、1 年前から右顎関節部が腫脹してきたという。 初診時のパノラマエックス線画像(別冊No. 10A)、右顎関節部のCT(別冊No. 10 B)、MRI(別冊No. 10C)及び切除物のH-E 染色病理組織像(別冊No. 10D)を別に 示す。 診断名はどれか。1 つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
長期間の顎関節痛・開口障害に顎関節部腫脹を伴い、画像・病理で関節内の軟骨性結節が示される疾患は 滑膜性軟骨腫症です。
解説
滑膜性軟骨腫症は、関節滑膜の結合組織が軟骨へ化生し、多数の軟骨結節や遊離体を形成する良性病変です。顎関節では片側性の疼痛、腫脹、雑音、開口制限を生じます。CTでは石灰化した遊離体、MRIでは関節腔内病変と滑膜変化の評価に優れます。
病理では硝子軟骨性結節がみられます。治療は症状や広がりに応じ、遊離体摘出や滑膜切除などを行います。
画像の確認
実画像A・Bでは右顎関節周囲に多数の結節状石灰化物が集簇し、Cでも関節腔内に多発性結節が描出される。病理像Dは軟骨小結節を示しており、滑膜から多数の軟骨体を生じる滑膜性軟骨腫症に合致する。
選択肢の確認
a.偽痛風
誤り。
偽痛風はピロリン酸カルシウム結晶沈着による急性関節炎で、慢性的に多数の軟骨性遊離体を形成する滑膜性軟骨腫症とは異なります。
b.骨肉腫
誤り。
骨肉腫は類骨形成を伴う悪性骨腫瘍で、顎関節滑膜由来の多発軟骨結節とは異なります。
c.軟骨肉腫
誤り。
軟骨肉腫は悪性軟骨性腫瘍で、浸潤性増殖や細胞異型を評価します。良性の滑膜性軟骨腫症とは病態が異なります。
d.骨芽細胞腫
誤り。
骨芽細胞腫は骨芽細胞と類骨形成を特徴とする骨腫瘍で、関節内遊離体を形成する滑膜病変ではありません。
e.滑膜性軟骨腫症
正しい。
滑膜性軟骨腫症は滑膜の軟骨化生により、関節内に多数の軟骨性結節や遊離体を生じます。
覚えるポイント
- 滑膜性軟骨腫症は滑膜の軟骨化生です。
- 顎関節では片側性腫脹・疼痛・開口制限を生じます。
- CTは石灰化、MRIは関節内病変の広がりを評価します。