118A021第118回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科放射線学

21 歳の男性。下顎右側智歯部の疼痛と腫脹を主訴として来院した。3 日前から 右側顎下部に腫脹が出現し、徐々に拡大し嚥下痛が強くなり、飲水ができないとい う。体温は37.8℃、腫脹部は弾性硬で、開口量は20 mm、呼吸障害は認めない。 初診時の顔貌写真(別冊No. 3A)、口腔内写真(別冊No. 3B)、エックス線画像(別 冊No. 3C)及び造影CT(別冊No. 3D)を別に示す。 まず行うべき処置はどれか。2 つ選べ。

118A021の問題画像
2つ選択
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正解: a・d

正答

a、d

この問題のポイント

下顎智歯周囲の感染が顎下部へ波及し、嚥下痛、開口障害、摂水不能を生じています。まず全身状態を立て直し、感染の進展を抑えることが優先です。

解説

21歳、下顎智歯部の疼痛、顎下部の弾性硬の腫脹、開口量20 mm、嚥下痛という所見から、智歯周囲炎に続発した顎下隙を含む歯性感染症が考えられます。

飲水できないため脱水の危険があり、輸液による補液が必要です。また、深部組織へ進展する感染に対し、速やかに抗菌薬を投与します。呼吸障害はありませんが、気道狭窄の出現を継続して監視します。

症例問題の解き方
気道、呼吸、循環、摂水可能性、感染の広がり、膿瘍形成の有無を順に確認します。

画像の確認

実画像では、右顎下部から頰部に腫脹があり、口腔内には下顎右側智歯周囲の発赤・腫脹、CTには深部への炎症波及がみられる。飲水困難を伴う急性感染なので輸液と抗菌薬投与を優先する正答a・dに対応する。

選択肢の確認

a.輸 液
正答。まず行います。
飲水不能で脱水が懸念されるため、静脈路を確保して補液し、全身状態を安定させます。

b.開口訓練
最優先ではありません。
急性炎症による開口障害の時期に積極的な訓練を行うと疼痛を増悪させる可能性があります。感染が落ち着いてから機能回復を図ります。

c.原因歯の抜去
この時点での最優先ではありません。
原因除去は必要ですが、炎症が広がり全身管理を要する急性期には、まず補液と抗菌薬で安全を確保します。局所所見と全身状態をみて抜歯時期を決めます。

d.抗菌薬の投与
正答。まず行います。
顎下部へ波及した歯性感染症の進行を抑えるため、適切な抗菌薬を速やかに投与します。

e.顎下部の切開排膿
膿瘍形成が確認された場合に行いますが、設問条件での最初の2処置ではありません。
弾性硬の腫脹は蜂窩織炎を示唆します。明らかな膿瘍腔があれば切開排膿を追加しますが、まず補液と抗菌薬を開始します。

覚えるポイント

  • 深部歯性感染症では気道評価が最優先です。
  • 飲水不能には輸液、進行性感染には抗菌薬を行います。
  • 切開排膿は膿瘍形成を確認して適応を判断します。

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