117D031|第117回 歯科医師国家試験 過去問
53 歳の女性。頰部蜂窩織炎に対し、全身麻酔下に口腔外から切開排膿術を行う こととした。特記すべき既往歴はなく、気道狭窄の症状も認めない。初診時の写真 (別冊No. 5)を別に示す。 全身麻酔の気道確保時に使用できるのはどれか。1 つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
頰部の著明な腫脹と開口障害があるため、口腔内へ大きな器具を挿入せずに行えるファイバースコープ挿管を選びます。
解説
写真では左頰部が大きく腫脹し、開口量も制限されています。直視型喉頭鏡、ビデオ喉頭鏡、ラリンジアルマスクは、いずれも口腔内へブレードや器具を挿入できるだけの開口が必要です。
気管支ファイバースコープは細径で可撓性があり、鼻腔または限られた口腔内スペースから声門を観察し、気管チューブを誘導できます。蜂窩織炎では麻酔導入後に換気・挿管が困難になる危険があるため、必要に応じて自発呼吸を保った状態でのファイバー挿管を計画します。
全身管理上の注意点
蜂窩織炎では腫脹が進行する可能性があり、現時点で気道狭窄症状がなくても困難気道として準備します。
画像の確認
実画像では、頰部が著しく腫脹し、定規を入れた開口量は小さく経口器具の展開空間が乏しい。細径で開口制限下でも経鼻的に気管内を観察しながら挿管できる気管支ファイバースコープを選ぶ正答eを支える。
選択肢の確認
a.直視型喉頭鏡
誤り。直視型喉頭鏡には十分な開口と喉頭展開が必要で、本症例の著明な開口障害では使用困難です。
b.ビデオ喉頭鏡
誤り。ビデオ喉頭鏡は声門視認を改善しますが、ブレードを挿入する開口量が必要です。
c.経口エアウェイ
誤り。経口エアウェイは舌根沈下を防ぐ補助器具で、確実な気管内挿管を行う器具ではありません。
d.ラリンジアルマスク
誤り。ラリンジアルマスクも口腔からの挿入が必要で、気管内挿管ほど確実な気道防御は得られません。
e.気管支ファイバースコープ
正しい。気管支ファイバースコープは細径で、開口障害を伴う困難気道の気管挿管に使用できます。
覚えるポイント
- 顎顔面感染では開口量と気道狭窄を必ず評価する。
- 開口障害が強い場合はファイバー挿管を検討する。
- 麻酔導入前に換気不能・挿管不能への代替手段を準備する。