117D032第117回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科矯正学

24 歳の女性。歯並びが悪いことを主訴として来院した。診断の結果、4 4 、 4 、5 の抜歯とマルチブラケット装置を用いた矯正歯科治療を行うこととした。 初診時の顔面写真(別冊No. 6A)、口腔内写真(別冊No. 6B)及びエックス線画像 (別冊No. 6C)を別に示す。セファロ分析の結果を図に示す。 治療方針はどれか。3 つ選べ。

117D032の問題画像
3つ選択
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正解: c・d・e

正答

c、d、e

この問題のポイント

写真とセファロ分析では、歯列正中の不一致と前歯歯軸の不調和がみられます。抜歯空隙を用いて正中、前歯歯軸、臼歯関係を整えます。

解説

顔貌・口腔内写真では歯列の非対称と叢生があり、抜歯部位も上下顎で左右対称ではありません。セファロ分析では上下顎中切歯歯軸傾斜角が小さく、前歯が相対的に唇側傾斜しているため、前歯を整直・後退させて歯軸傾斜角を増加させます。

抜歯空隙の配分によって上下顎歯列正中線を一致させ、最終的には左右ともAngleⅠ級の大臼歯関係を確立します。SNBとFMAは骨格形態を表す指標であり、成人の歯の移動のみで意図的に増加させる目標ではありません。

画像の確認

実画像では、上下顎前歯の叢生と正中線の不一致、左右で異なる大臼歯関係があり、セファロ図では上下顎切歯が舌側傾斜している。抜歯空隙を利用して正中を一致させ、切歯歯軸傾斜角と両側Angle I級関係を整える正答c・d・eに対応する。

選択肢の確認

a.SNB の増加
誤り。SNBは頭蓋底に対する下顎骨の前後的位置を示す骨格指標で、成人の通常矯正で増加させる治療目標ではありません。

b.FMA の増加
誤り。FMAの増加は下顎下縁平面の開大を意味し、本症例で積極的に目指す変化ではありません。

c.上下顎歯列正中線の一致
正しい。非対称な歯列と抜歯空隙を調整し、上下顎歯列正中線の一致を図ります。

d.上下顎中切歯歯軸傾斜角の増加
正しい。唇側傾斜した上下顎前歯を整直することで、上下顎中切歯歯軸傾斜角を増加させます。

e.両側AngleⅠ級の大臼歯関係の確立
正しい。治療後の機能的で安定した咬合として、両側AngleⅠ級の大臼歯関係を確立します。

覚えるポイント

  • SNB・FMAは骨格指標、前歯歯軸傾斜角は歯性指標。
  • 抜歯空隙は叢生改善、正中修正、前歯後退に配分する。
  • 最終目標には左右の大臼歯関係も含まれる。

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