117C070|第117回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床歯科放射線学
16 歳の女子。あごの歪みを主訴として来院した。幼少時から自覚し、徐々に増 悪しているという。6 歳時に小耳症に対して耳介形成術を受けた。交叉咬合を認め る。初診時のエックス線画像(別冊No. 29A)と3D-CT(別冊No. 29B)を別に示す。 考えられるのはどれか。1 つ選べ。

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
小耳症、顔面非対称、下顎枝・下顎頭低形成は、第一・第二鰓弓由来組織の発育異常である第一第二鰓弓症候群を示唆します。
解説
第一第二鰓弓症候群では、外耳・中耳、頬骨、上顎、下顎などの発育異常を片側優位に認めます。下顎枝や下顎頭の低形成により顔面非対称、咬合平面傾斜、交叉咬合を生じることがあります。
小耳症の既往は重要な手掛かりです。CT・3D-CTでは下顎枝、下顎頭、関節窩、頬骨弓などの左右差を評価します。
画像の確認
実画像では、パノラマ像と3D-CTの双方で片側の下顎枝・下顎頭と頰骨上顎部が著しく低形成で、下顎が同側へ偏位している。小耳症を伴う第一・第二鰓弓由来領域の非対称な低形成であり、正答dを支える。
選択肢の確認
a.Apert 症候群
誤り。
Apert 症候群は頭蓋縫合早期癒合、眼球突出、中顔面低形成、合指症などを特徴とします。
b.Crouzon 症候群
誤り。
Crouzon 症候群は頭蓋縫合早期癒合と中顔面低形成が中心で、小耳症を伴う片側性下顎低形成の典型ではありません。
c.基底細胞母斑症候群
誤り。
基底細胞母斑症候群は多発性歯原性角化嚢胞、基底細胞癌、肋骨異常などを特徴とします。
d.第一第二鰓弓症候群
正しい。
小耳症と片側性顎顔面低形成は第一第二鰓弓症候群に合致します。
e.McCune-Albright 症候群
誤り。
McCune-Albright 症候群は多骨性線維性異形成、皮膚色素斑、内分泌異常が特徴です。
覚えるポイント
- 第一第二鰓弓症候群は小耳症と片側性顎顔面低形成。
- 下顎枝・下顎頭低形成で顔面非対称と交叉咬合を生じる。
- 頭蓋縫合早期癒合症候群と鑑別する。