117B060第117回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯内療法学

59 歳の女性。下顎左側第一大臼歯の歯冠修復物脱離を主訴として来院した。2 か月前に脱離したが痛みがないためそのままにしていたという。プロービング深さ は全周3 mm 以下で歯髄電気診に生活反応を示した。初診時の口腔内写真(別冊 No. 20A)とエックス線画像(別冊No. 20B)を別に示す。 まず行うのはどれか。1 つ選べ。

117B060の問題画像
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正解: a

正答

a

この問題のポイント

歯髄電気診が陽性でも、歯髄を保存できるとは限りません。歯質欠損の深さ、露髄の可能性、歯髄炎の可逆性を合わせて判断します。

解説

本症例では、修復物脱離後に長期間経過し、画像所見を踏まえて歯髄保存が困難と判断されるため、まず抜髄を行います。歯髄電気診の生活反応は神経反応が残っていることを示すだけで、歯髄組織が健全であることを保証しません。

感染根管治療は歯髄壊死・根管感染歯に対する処置です。本症例では生活反応があるため、処置名は抜髄となります。

画像の確認

実画像では、下顎左側第一大臼歯の修復物脱離部に広く深い褐色の軟化象牙質が露出し、エックス線像でも透過像が歯髄腔近くまで達するが根尖透過像は目立たない。生活反応を示す深在性病変で歯髄保存が困難な像であり、まず抜髄する正答aを支持する。

選択肢の確認

a.抜 髄
正答。まず行います。
生活歯であっても歯髄保存が困難な深いう蝕・歯質欠損では、抜髄して根管治療を開始します。

b.裏 層
誤り。
裏層は修復材料から歯髄を保護する処置ですが、歯髄保存が困難な状態に対する根本処置ではありません。

c.間接覆髄法
誤り。
間接覆髄法は感染象牙質を除去しても露髄せず、可逆性歯髄炎と判断できる場合に適応します。

d.感染根管治療
誤り。
感染根管治療は失活歯・感染根管に行います。本症例は歯髄電気診で生活反応があります。

e.暫間的間接覆髄法
誤り。
暫間的間接覆髄法は深在性う蝕で歯髄保存を図る段階的処置ですが、本症例では抜髄が選択されます。

覚えるポイント

  • 歯髄電気診陽性は歯髄の健全性を保証しない。
  • 生活歯の歯髄除去は抜髄である。
  • 失活歯・感染根管には感染根管治療を行う。

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