117A060|第117回 歯科医師国家試験 過去問
基礎歯科医学口腔解剖・組織・発生
5 年前から手と顎にふるえが生じている70 歳の女性。歩き始めの一歩が出にく いという。かかりつけの神経内科医からドパミンの前駆物質であるレボドパ 〈L-dopa〉を処方されたところ症状が改善した。 運動障害の原因となる変性が疑われるのはどれか。1 つ選べ。
解答・解説を見る
正解: b
正答
b
この問題のポイント
安静時振戦、すくみ足、レボドパ反応性からParkinson病を考え、黒質ドパミン神経の変性を選びます。
解説
Parkinson病では、中脳の黒質緻密部にあるドパミン作動性神経細胞が変性し、線条体へのドパミン入力が低下します。これにより振戦、筋固縮、無動・寡動、姿勢反射障害などが生じます。
レボドパは血液脳関門を通過して脳内でドパミンへ変換され、運動症状を改善します。歯科診療では、開口保持困難、嚥下障害、流涎、起立性低血圧、服薬時間への配慮が必要です。
選択肢の確認
a.海 馬
誤り。
海馬は記憶形成に重要で、Alzheimer病などとの関連が深い部位です。
b.黒 質
正しい。
黒質緻密部のドパミン神経変性がParkinson病の主要病態です。
c.孤束核
誤り。
孤束核は味覚や内臓感覚の中継に関与し、本症例の運動障害の主座ではありません。
d.視床下部
誤り。
視床下部は自律神経・内分泌・体温調節などに関与します。
e.三叉神経主感覚核
誤り。
三叉神経主感覚核は顔面・口腔の識別性触覚などを中継し、Parkinson病の主病変ではありません。
覚えるポイント
- Parkinson病:黒質緻密部のドパミン神経変性。
- 四大症状:振戦、筋強剛、無動・寡動、姿勢反射障害。
- レボドパは脳内ドパミンを補います。