117A055|第117回 歯科医師国家試験 過去問
57 歳の女性。全身麻酔下に顎骨囊胞摘出術を行うこととした。来院時の手の写 真(別冊No. 20)を別に示す。内服している薬剤を表に示す。 ・メトトレキサート ・ロキソプロフェンナトリウム水和物 周術期に特に留意すべきなのはどれか。1 つ選べ。

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正解: b
正答
b
この問題のポイント
メトトレキサート服用患者の周術期では、造血抑制による感染・出血リスクを評価します。
解説
メトトレキサートは葉酸代謝を阻害し、関節リウマチなどの治療に用いられます。副作用として骨髄抑制、肝障害、間質性肺炎、粘膜障害などがあり、白血球・好中球や血小板が低下すると術後感染や出血の危険が増します。
腎機能低下や非ステロイド性抗炎症薬との併用では、メトトレキサートの排泄遅延と毒性増強にも注意します。手術前には血算、肝腎機能、服用量、最終服用日、併用薬を確認し、休薬の要否は原疾患の状態と手術侵襲を踏まえて主治医と相談します。自己判断で一律に中止してはいけません。
画像の確認
実画像では、手指に屈曲変形と尺側への偏位が見られ、画像内の服薬欄にはメトトレキサートが記載されている。周術期には同薬による造血抑制を検査で確認する必要があり、骨髄抑制を選ぶ正答bにつながる。
選択肢の確認
a.顎骨壊死
誤り。
顎骨壊死は骨吸収抑制薬や顎骨への放射線照射などで問題となります。メトトレキサートの代表的周術期副作用ではありません。
b.骨髄抑制
正しい。
メトトレキサートは骨髄抑制を起こし得るため、感染・出血リスクに特に留意します。
c.悪心・嘔吐
誤り。
悪心・嘔吐は薬剤や全身麻酔で起こり得ますが、本症例で特に重要なメトトレキサート関連リスクは骨髄抑制です。
d.深部静脈血栓症
誤り。
深部静脈血栓症は長期臥床などで注意しますが、提示薬剤から最も直接に考える合併症ではありません。
e.播種性血管内凝固症候群〈DIC〉
誤り。
DICは重症感染症や悪性腫瘍などで生じる全身性凝固異常で、メトトレキサート内服から直接最優先に想定するものではありません。
覚えるポイント
- メトトレキサート:骨髄抑制、肝障害、間質性肺炎、粘膜障害。
- 周術期は血算、肝腎機能、感染徴候を確認します。
- 休薬は主治医と連携して個別に判断します。