116D041|第116回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床保存修復学
64 歳の男性。上顎右側第一大臼歯の知覚過敏を主訴として来院した。ブラッシ ング時に一過性の痛みがあるという。検査の結果、グラスアイオノマーセメント修 復を行うこととした。初診時の口腔内写真(別冊No. 10A)と、ある器具を用いた 修復操作中の口腔内写真(別冊No. 10B)を別に示す。 この操作で向上するのはどれか。3 つ選べ。

3つ選択
解答・解説を見る
正解: b・c・d
正答
b、c、d
この問題のポイント
グラスアイオノマーセメント修復では、充塡直後にマトリックスを圧接して形態を整え、歯面との密着を確保します。
解説
提示された操作では、透明なマトリックスを修復部へ圧接しています。圧接によって材料が窩洞壁へ密着し、余剰部を押さえながら外形を整えられるため、接着性、賦形性、辺縁封鎖性の向上につながります。
一方、グラスアイオノマーセメントは初期硬化時に水分の影響を受けやすいため、操作後には表面保護も重要です。
画像の確認
実画像では、上顎右側第一大臼歯頰側歯頸部に根面露出と楔状の欠損があり、修復中のBでは透明なマトリックスを充塡材へ圧接している。材料を歯面・辺縁へ密着させながら滑らかな歯頸形態を作る操作なので、接着性、賦形性、辺縁封鎖性の向上につながる。
選択肢の確認
a.感水性
誤り。感水性は材料が水分の影響を受けやすい性質であり、この操作で高めるべき性能ではありません。
b.接着性
正しい。圧接により材料と歯面の密着が得られ、接着状態の確保に役立ちます。
c.賦形性
正しい。マトリックスにより歯頸部の外形と滑沢な表面を付与しやすくなります。
d.辺縁封鎖性
正しい。窩洞辺縁へ材料を密着させることで辺縁封鎖性が向上します。
e.イオン徐放性
誤り。イオン徐放性は材料組成に由来する性質であり、マトリックス圧接によって増加するものではありません。
覚えるポイント
- マトリックス圧接は密着、賦形、辺縁封鎖に有効です。
- 初期硬化中は吸水・乾燥から保護します。
- フッ化物などのイオン徐放性は材料固有の性質です。