116C082第116回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯内療法学

42 歳の女性。下顎右側第一大臼歯の修復物の脱離を主訴として来院した。昨 日、脱離したという。痛みや歯肉腫脹はない。初診時の口腔内写真(別冊No. 35 A)とエックス線画像(別冊No. 35B)を別に示す。歯周組織検査結果の一部を表に 示す。 舌 側* ⑧ ⑥ ⑥ ⑥ ⑥ ⑪ ④ ③ ④ 歯 種 7 6 5 頰 側* ④ ⑤ 4 ④ ④ ④ ④ 3 3 根分岐部病変** ― 2 度 ― 動揺度*** 1 1 0 * :プロービング深さ(mm) 〇印 :プロービング時の出血 ** :Lindhe とNyman の分類(-は根分岐部病変がないことを示す) *** :Miller の判定基準 口腔清掃指導後、6 にまず行う処置はどれか。1 つ選べ。

116C082の問題画像
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正解: c

正答

c

この問題のポイント

歯周病変が高度でも、歯内感染が併存する歯では感染源となる根管を先に治療し、治癒反応を再評価します。

解説

下顎右側第一大臼歯には修復物脱離、深いポケット、Ⅱ度根分岐部病変があり、画像では根管治療不良または根尖・根分岐部へ及ぶ歯内感染が示されています。口腔清掃指導後は、まず感染根管治療で歯髄腔由来の感染を除去します。

歯内治療後に歯周組織の改善を再評価し、必要に応じてSRP、歯周外科、ヘミセクションなどを検討します。不可逆的処置を先行させません。

治療選択のポイント
可逆的で原因除去につながる処置から行い、ヘミセクションなど不可逆的処置は再評価後に決定します。

画像の確認

実画像では、下顎右側第一大臼歯の歯冠に大きな修復部と歯質欠損があり、エックス線像では同歯の根分岐部から根周囲にかけて広い透過像がみえる。深い歯周ポケットと2度分岐部病変だけで不可逆的なヘミセクションへ進まず、まず根管内の感染源を除去する感染根管治療を行って歯周組織の反応を再評価する。

選択肢の確認

a.暫間固定
誤り。動揺度1であり、感染源除去前に暫間固定を行うことが第一選択ではありません。

b.歯根尖切除
誤り。歯根尖切除は通常の根管治療で対応できない根尖部病変に検討する外科処置で、まず行う処置ではありません。

c.感染根管治療
正答。まず行います。根管内感染を除去し、根尖・根分岐部病変の治癒を評価します。

d.ヘミセクション
誤り。ヘミセクションは根の保存可能性を評価した後に検討する不可逆的処置で、感染根管治療より先には行いません。

e.スケーリング・ルートプレーニング
誤り。SRPも必要ですが、歯内感染が疑われるため本歯ではまず感染根管治療を優先します。

覚えるポイント

  • 歯内・歯周病変では感染源を区別する。
  • 歯内感染がある場合は根管治療を先行する。
  • 治療後に再評価して外科・分割処置の必要性を判断する。

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