116C059|第116回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床口腔外科学
67 歳の女性。下顎左側智歯部の腫脹を主訴として来院した。半年前から自覚し ていたが、疼痛がないためそのままにしていたという。触診で軽度の圧痛を認め る。初診時の口腔内写真(別冊No. 23A)、エックス線画像(別冊No. 23B)、CT(別 冊No. 23C)及び生検時のH-E 染色病理組織像(別冊No. 23D)を別に示す。 診断名はどれか。1 つ選べ。

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正解: a
正答
a
この問題のポイント
埋伏歯の歯冠を取り囲む単房性透過像と非角化性薄い上皮は含歯性囊胞を示します。
解説
含歯性囊胞は埋伏永久歯の歯冠を取り囲み、セメントエナメル境付近に付着する発育性歯原性囊胞です。下顎第三大臼歯部、上顎犬歯部などに好発し、無痛性に顎骨膨隆を生じることがあります。
病理では薄い非角化重層扁平上皮で裏装され、炎症が乏しい場合は上皮脚が目立ちません。
病理像で見るポイント
裏装上皮の角化、厚さ、上皮脚、粘液細胞の有無を確認します。
画像の確認
実画像では、下顎左側智歯が埋伏し、その歯冠を包むように境界明瞭な単房性透過像が広がって皮質骨を膨隆させている。病理像では囊胞腔を薄く平坦な非角化性上皮が裏装し、角化層や腫瘍胞巣はみえないため、含歯性囊胞の正答を支持する。
選択肢の確認
a.含歯性囊胞
正しい。埋伏智歯歯冠を取り囲む囊胞性病変と病理像は含歯性囊胞に合致します。
b.エナメル上皮腫
誤り。エナメル上皮腫は多房性透過像や充実性腫瘍胞巣を示し、単純な薄い囊胞上皮とは異なります。
c.歯原性角化囊胞
誤り。歯原性角化囊胞は錯角化上皮、柵状配列を示し、前後方向へ進展しやすい病変です。
d.腺性歯原性囊胞
誤り。腺性歯原性囊胞は粘液細胞や腺管様構造を伴い、前歯部に好発します。
e.動脈瘤様骨囊胞
誤り。動脈瘤様骨囊胞は血液で満たされた腔と多核巨細胞を伴う骨病変です。
覚えるポイント
- 含歯性囊胞は埋伏歯歯冠を囲む。
- 囊胞壁は薄い非角化重層扁平上皮。
- 歯原性角化囊胞の角化上皮と区別する。