116A071|第116回 歯科医師国家試験 過去問
2 歳の男児。歯の色調と形の異常を主訴として来院した。萌出した時から異常が みられ、冷たいものを飲むと嫌がるという。初診時の口腔内写真(別冊No. 25A) とエックス線画像(別冊No. 25B)を別に示す。 歯の異常の原因として考えられるのはどれか。1 つ選べ。

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正解: b
正答
b
この問題のポイント
萌出時から複数歯の色調・形態異常があり、冷刺激への反応もある場合、後天的う蝕より遺伝性歯質形成障害を考えます。
解説
2歳で、萌出した時点から歯の色調と形態に異常があるため、形成後に生じた着色やう蝕より、歯の形成過程に生じる遺伝性歯質形成障害が示唆されます。エナメル質形成不全症や象牙質形成不全症などは遺伝子変異によって生じ、複数歯・両側性に異常を示すことがあります。
歯質が薄い、欠損する、象牙質が露出するなどにより冷刺激に敏感となる場合があります。
画像の確認
実画像では、萌出した乳歯のほぼ全歯で黄褐色調、表面粗造、歯冠形態不整と歯質欠損が左右広くみられる。萌出時からの全顎的・対称的な形成異常は局所外傷や清掃不良より遺伝性歯質形成障害を示し、遺伝子変異を選ぶ正答bを支える。
選択肢の確認
a.外 傷
誤り。
外傷による形成障害は原因歯に対応した限局性・片側性となることが多く、萌出した複数歯に一様な異常がある場合は合いにくい原因です。
b.遺伝子変異
正しい。
萌出時からの広範な色調・形態異常は、遺伝子変異によるエナメル質または象牙質の形成障害で説明できます。
c.口腔清掃不良
誤り。
口腔清掃不良は萌出後のプラーク停滞とう蝕を起こしますが、萌出時から存在する歯冠形態異常の原因ではありません。
d.哺乳瓶の長期使用
誤り。
哺乳瓶の長期使用は乳歯う蝕リスクを高めますが、萌出時からの形成異常を起こしません。
e.フッ化物の過剰摂取
誤り。
フッ化物過剰摂取は歯の形成期に斑状歯を生じ得ますが、萌出時からの広範な形態異常という経過は遺伝性歯質形成障害を示します。
覚えるポイント
- 萌出時からの異常は歯の形成期の原因を考えます。
- 複数歯・左右対称なら遺伝性疾患を疑います。
- 画像ではエナメル質、象牙質、歯髄腔を評価します。