116A066|第116回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床歯内療法学
かかりつけ歯科医でエックス線異常像を指摘されて来院した患者のエックス線画 像(別冊No. 22)を別に示す。自覚症状はなく、腫脹も認められない。下顎両側中 切歯は歯髄電気診で生活反応を示した。 適切な対応はどれか。1 つ選べ。

解答・解説を見る
正解: a
正答
a
この問題のポイント
下顎前歯根尖部の無症候性病変で歯髄生活反応がある場合、根尖性歯周炎と誤診せず、セメント質骨性異形成症を考えます。
解説
下顎前歯部に偶然発見されたエックス線異常像で、自覚症状・腫脹がなく、関係歯が生活歯であることは根尖性セメント質骨性異形成症を示唆する重要所見です。
この病変は初期に透過像、中期に混合像、成熟期に透過性帯を伴う不透過像へ変化します。無症状で典型的な場合は治療を必要とせず、定期的な経過観察を行います。不必要な抜髄は避けます。
画像の確認
実画像では、下顎前歯2歯の根尖周囲に境界のある混合性病変があり、内部に不透過像、周囲に透過性帯がみられる。無症状で関係歯が生活歯という情報と合わせ、根尖性セメント質骨性異形成症として経過観察する正答aを支える。
選択肢の確認
a.経過観察
正答。最も適切です。
無症状で関係歯が生活歯の典型的病変では、定期的な画像検査と臨床診査による経過観察が適切です。
b.抜 髄
侵襲が不必要です。
生活歯であり、根管感染を示す所見がないため抜髄は不要です。不必要な歯内治療を避けます。
c.摘 出
侵襲が不必要です。
無症状のセメント質骨性異形成症を摘出する必要はありません。外科介入は感染や治癒不良の危険を増やします。
d.抜 歯
侵襲が不必要です。
関係歯は生活歯で保存可能であり、抜歯の適応ではありません。
e.下顎辺縁切除
侵襲が不必要です。
良性で無症状の病変に下顎辺縁切除のような侵襲的手術は行いません。
覚えるポイント
- 下顎前歯根尖部の病変では歯髄生活反応を必ず確認します。
- セメント質骨性異形成症は無症状なら経過観察です。
- 根尖性歯周炎と誤診して抜髄しないことが重要です。