116A067|第116回 歯科医師国家試験 過去問
29 歳の女性。矯正歯科医で矯正装置周囲の歯の着色を指摘され、紹介来院し た。半年前から装置をつけているが、気付かなかったという。誘発痛はなく歯髄電 気診に生活反応を示した。初診時の口腔内写真(別冊No. 23)を別に示す。 齲蝕リスクの判定に有効な評価法はどれか。2 つ選べ。

解答・解説を見る
正解: c・e
正答
c、e
この問題のポイント
矯正装置周囲の白斑・着色では、現在の歯質変化と、唾液などの齲蝕リスク因子を客観的に評価します。
解説
固定式矯正装置周囲はプラークが停滞しやすく、初期脱灰が進行しやすい部位です。齲蝕リスク評価では、宿主・細菌・食事・時間に関する因子を確認します。
唾液緩衝能検査は酸を中和する唾液の能力を評価し、患者の齲蝕リスク判定に有用です。レーザー蛍光強度測定は歯質変化を数値化し、初期齲蝕の客観的評価や経時的管理に役立ちます。
ひっかけポイント
透照診や咬翼法は病変の検出に有用ですが、「患者のリスク因子」や矯正装置周囲病変の客観的モニタリングとは目的が異なります。
画像の確認
実画像では、固定式矯正ブラケット周囲の唇面に白濁・褐色化した脱灰斑が複数歯でみられ、装置周囲にプラークが停滞しやすい状態である。宿主側の酸中和能をみる唾液緩衝能検査と病変を数値追跡するレーザー蛍光強度測定を選ぶ正答c、eを支える。
選択肢の確認
a.擦過診
誤り。
擦過診は粘膜病変の表面性状などをみることがあり、齲蝕リスク判定の代表的評価法ではありません。
b.透照診
誤り。
透照診は亀裂や前歯部・隣接面の透過性変化を検出する補助法ですが、唾液や病変活動性を含む齲蝕リスク判定の中心ではありません。
c.唾液緩衝能検査
正しい。
唾液緩衝能は酸性環境を中和する能力を示し、齲蝕リスクの評価に有効です。
d.咬翼法エックス線撮影
誤り。
咬翼法エックス線撮影は隣接面齲蝕や歯槽骨頂の評価に有用ですが、矯正装置周囲の唇頰側病変や患者のリスク因子を直接評価する方法ではありません。
e.レーザー蛍光強度測定
正しい。
レーザー蛍光強度測定は歯質変化を客観的に数値化でき、初期病変の評価と経時的リスク管理に有用です。
覚えるポイント
- 矯正装置周囲は初期脱灰の好発部位です。
- 唾液緩衝能は宿主側の齲蝕リスクを評価します。
- レーザー蛍光強度測定は病変を数値化して経時評価できます。